令和三年三月、千葉県浦安市の清瀧神社に参拝しました。
建久四年(1196)創建
安政二年(1855)本殿再建
御祭神 大綿津見神
向拝の提灯の陰には黄石公と張良の彫り物がありました。
裏へ回ります。
石造りの玉垣の扉には仙人と獅子の彫刻がありました。
玉巵弾琴。玉巵は一絃琴を奏でて龍を操り、四海を周遊すると言われます。
梅福仙人。橘守国の絵本故事談という絵手本では、蕭史仙人も「鳳凰に乗って飛び去れり」となっていますから、これは蕭史の可能性もありますが、私は仙人が鳳凰に乗っている場合は梅福、乗っていない場合は蕭史、鳳凰に乗っていても妻の弄玉が一緒の時だけは蕭史という事にしています。私の勝手な分類です。
いよいよ御本殿。
グーグルマップで見ると一年くらい前までは屋根だけの開放的な覆屋だった様ですが、建て替えられて四隅に壁があります。この日は薄曇りだったので、中は暗いです。
大虹梁上の麒麟。
胴羽目は亀に乗る浦島太郎。二枚続きの構図になっています。
竜宮城。
脇障子には日本武尊の熊襲討伐がありました。ヤマトタケルの名の由来となった熊襲の首長・川上梟師(熊襲健)を刺し殺す場面。初めて見た様に思います。
この場面は芳年の浮世絵が有名ですが、寺社彫刻では珍しいかも。
木階の下には猩々の彫り物がありました。猩々には子供がいたのですね。これも初めて見ました(多分)。子供も酒を飲むのか?
御本殿背面。
右端の蟇股には立川流の代名詞となっている粟穂に鶉がありました。案内板によると「絵図師・高間惣治郎が図を描き、棟梁・肥前松五郎が建てた」となっていますが、彫師については記載がありません。ググっても絵図師、棟梁ともに立川流との繋がりは見つかりませんでした。
胴羽目は三枚とも唐獅子で、右端は獅子の子育て。
中央。なんかあまり獅子らしくない。。。犬?
左端。こりゃあまるで猫ですな。
こちらは高椅神社楼門の麝香猫。違いは耳だけです。
御本殿右面。
大虹梁上には麒麟、妻飾りには応龍がありました。
胴羽目は二枚続きで干珠満珠伝説の武内宿禰が宝珠を海に投げ入れる場面。
干珠と満珠で海の満ち干を操り、三韓出兵を勝利に導いたとされています。
脇障子。武装した女性と言えば巴御前か神功皇后が思い浮かびますが、服装から言ってこれは神功皇后でしょう。
木階下には猩々。
御本殿は大きめなので、望遠鏡かズームレンズが必須アイテムです。初めての物が二つも見られて、良い神社でした。
刺青師・龍元
059(2021.03.29)
コメント
onijiiです。
浦安は旧江戸川沿いなんですね。
地図帳を見て気づきました。(笑)
脇障子がいいですね!
行った甲斐がありました!!
犬?猫?で思わずクスッ!!!
彫刻の写真を撮る人が何人もいましたが、
脚立を使ったのは自分だけでした。(笑)
ヘンタイしてますね〜。
以前茨城県のとあるお寺で、脚立を担いで撮影の許可を貰いに行ったら、警戒されて住職さんにお説教をいただいた事があります。この時は結局許可は貰えたので良かったですが。
以来、許可を貰う時にはスマホ片手に、なるべく気軽な風体で行く事にしています。脳あるヘンタイは爪隠すです。