令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第七社目 千葉県匝瑳市の八重垣神社に参拝しました。
![八重垣神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8162-1.jpeg)
弘仁二年(812)出雲の牛頭天王社を勧請 創建
御祭神 須佐之男命
![八重垣神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8160-1.jpeg)
兎の毛通の鳳凰。唐破風下には鼓が彫られています。
![鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7033-1.jpg)
中備の龍。頭がやけに大きいです。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7032-1.jpg)
拝殿で特筆すべきなのは 向拝柱の龍の浮き彫りでしょう。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7042-1.jpg)
竹が括り付けてあるので 正面から見られないのが残念です。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7036-1.jpg)
右側の向拝柱です。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7038-1.jpg)
正面を向いている様な 横を向いている様な。。。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7034-1.jpg)
覆屋は比較的ガッチリと御本殿を護るタイプに見えます。
![八重垣神社御本殿覆屋](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8161-1.jpeg)
幸いにして 上部に明かり取りの窓があるので 胴羽目部分が明るくて 鑑賞しやすいです。
![八重垣神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8156-1.jpeg)
胴羽目上の龍が格好良いです。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6940-1.jpg)
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6945-1.jpg)
全部で七点ある胴羽目は 蘭亭曲水の宴の続き物です。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6935-1.jpg)
滝の脇に座る文士の足元には硯と筆が見えます。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6943-1.jpg)
左の胴羽目には 橋を渡る二人の文士と童子。川面には盆に乗せた盃が見えます。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6942-1.jpg)
楽しそうに談笑しています。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6946-1.jpg)
脇障子は獅子の子落としです。
![獅子の子落とし](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6950-1.jpg)
腰羽目?には亀の彫り物が二点。
![亀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6951-1.jpg)
背面に廻ります。 あいにくと背面には窓が無いので 胴羽目部分が暗いです。
![八重垣神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8157-1.jpeg)
腰羽目?には 唐獅子牡丹が三点。
![唐獅子牡丹](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6953-1.jpg)
暗かったので オートフォーカスが反応ぜず。手動フォーカスで 少しピントが甘くなってしまいました。ここへは4時頃に到着したので 夏の昼間なら もう少し明るいのかも知れません。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6955-1.jpg)
広げた巻物を前に座る文士と 墨を擦る童子。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6998-1.jpg)
曲水の宴というのは 小川に盃を流して 前を通り過ぎるまでに詩歌を詠じて 盃の酒を呑み また次へ盃を流すという遊びです。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6964-1.jpg)
川面に浮かぶ 盃を乗せた盆。 木目と相まって 本当に盆が水面に浮かんでいる様に見えます。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6969-1.jpg)
蘭亭曲水の宴というのは 中国晋代の穆帝の永和九年(353)三月 文雅の士41人が蘭亭に会して曲水の宴を催したというもの。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6973-1.jpg)
まったく 風雅な遊びですなぁ。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7000-1.jpg)
左面です。
![八重垣神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_8158-1.jpeg)
向かって左側の胴羽目。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6974-1.jpg)
宴もたけなわと言った感じ。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6976-1.jpg)
おっと! 飲み過ぎはいけません。
![](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6978-2-1.jpg)
右側の胴羽目。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6986-1.jpg)
細かいところまで 丁寧に彫られています。
![蘭亭曲水の宴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6988-1.jpg)
胴羽目の上の龍。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7010-1.jpg)
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6982-1.jpg)
脇障子は滝に打たれる獅子です。
![唐獅子](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7029-1.jpg)
この面にも腰羽目?には亀の彫り物が二点ありましたが この一点だけ海亀。
![海亀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/IMG_6992-1.jpg)
珍です。 覚えている限り 海亀の彫り物を直に見たのは初めてです。
素晴らしい彫り物を鑑賞する事ができました。
刺青師・龍元
007(2024.01.21)
コメント
飲み過ぎの 表現 流石ですねぇ~、かなり飲んだ感じですね!!
海亀は珍ですね!!昔の人って、海亀を見た事がある人って少なかったんだと思っています、今は水族館等で見る事は出来ますが、海亀を見た事が無い人は、海亀の足がヒレ?状になっている事は知らなかったのでは?と思っています。
錺さん おはよう御座います。
お褒め頂き、ありがとうございます。ここは暗くて、ズームするとシャッタースピードが1秒とかそれ以上だったので、ブレブレな写真が沢山撮れました。
海亀については、成る程ですね。虎が猫みたいなのと同じで、見た事無いから知らなかったって事なんですね。納得です。じゃあ、ここの彫り師は当時としては博学だったって事ですね。もしくは、比較的新しいのかも。