令和五年六月上旬 栃木県栃木市の大杉神社に参拝しました。
天正十八年(1590)創建
御祭神 大国主命
拝殿から中を覗いてみました。御本殿向拝には大きな彫り物はなさそうです。
なんとか鑑賞はできますが 廻りが玉垣で囲まれているので 写真を撮るには中々骨の折れる中級者むけの御本殿覆屋です。
立派な御本殿が鎮座していました。
正面扉脇板は滝に打たれる唐獅子。
脇障子は タンバリンを打ち鳴らしながらカラオケを熱唱する人。
胴羽目には 深彫りの見事な彫り物がありました。
目の大きい可愛らしい感じの龍です。
掠れてしまってますが 木目とは違う位置に目玉が描いてあります。
両手が欠損してしまっているので確証はありませんが 龍と闘っているという感じではないので 馬師皇でいかがでしょうか。
馬師皇に支那太古黄帝の時の馬医なり。克く馬の形氣を以てその死生を知り克く之を治す。後龍の下向するあり。耳を垂れ口を張る。師皇見て曰く此龍病ありと、その辱下ロ中に針し、甘草湯を取つて之に飲ましめしに忽ちにして愈え一日にして去るといふ。(『画題辞典』斎藤隆三)
腰羽目にも彫り物があります。
唐子のお神輿。
唐子の獅子舞。
浜床下羽目板にも彫り物がありましたが その内の一枚に二枚貝の彫り物。気を吐いているので蜃だと思います。
蜃とは蜃気楼を作り出す伝説の生き物で 巨大なハマグリという説(鳥山石燕の今昔百鬼拾遺)と 蛟の一種であるとする説(寺島良安の和漢三才図会 )があります。
妻飾りを見上げると 大棟を担ぐ天狗がいました。
極厚の胴羽目です。
胴羽目から飛びださんばかりに 首を突き出す亀。
大波に飲み込まれてしまいそうな親子亀です。
背面も腰羽目には唐子シリーズがありました。左側は唐子と犬。
これは相撲をとっているのかな?
左面です。
お馴染み二十四孝きっての孝行娘 山で虎に出くわして「私を食べてお父さんを助けて」と天に祈ったら虎は去った という楊香です。
行司よろしく軍配を構えて様子を見守る 楊香の父。いや あなたが娘を助けなさい。
少し困り顔の虎。
カンフーの構えの楊香。
腰羽目にも楊香がいるのかと思ったら こちらは唐子と亀でした。
牛に乗る少年。
幸い?妻飾りの懸魚が欠損していたので 太瓶束を正面から捉える事ができました。
鴉天狗。
反対側のカラオケの熱唱に合わせて 扇子で舞い踊る人。
正面扉脇板の唐獅子。
綺麗に手入れがされ保存状態も良い 素晴らしい御本殿でした。
刺青師・龍元
070(2023.06.24)
コメント
アップされた画像を拝見すると、ご本殿の彫刻は鑑賞できそうですが、上から5枚目の写真を見ると、かなりご苦労されての結果だとお察しします。如意棒フル活用、不審な行動が想像されます(笑)。
妻飾りの天狗いいですね、亀が思い切り首を伸ばしている様子、首のシワが良いですね。
錺さん おはよう御座います。
引きの写真はスマホ+自撮り棒です。寄りの写真は玉垣の外からズームで狙いました。胴羽目の写真はデジイチ+如意棒。これは不審者ですね。大天狗は苦労しました。
監視カメラ監視中となってましたが、さぞかし不審な動きをする私が写っている事でしょう。
onijiiです。
こちらは自分には難易度が高く、
退散しました。(笑)
天狗の力神は珍しいですね。
新規情報ありがとうございます。
Onijiiさん こんにちは
あれ?ここはOnijiiさん情報だったので、てっきりご存知だと思ってました。大天狗は目視できませんが、小天狗は見えると思います。
ダブルチェックの意味があって良かったです。