六福神と二仙人 [五霊神社] 群馬県

大黒 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和五年四月上旬 群馬県片品村の五霊神社に参拝しました。

鳥居も狛犬もありませんでした。

五霊神社

覆屋の中には六棟の御本殿がありました。

五霊神社御本殿

中央に鎮座する一番大きな御本殿。

五霊神社御本殿

唐破風の上から 鬼面が参拝者を迎えます。

鬼面
鬼面
鬼面

向拝です。

五霊神社御本殿向拝

唐破風下は錦鶏でしょうか。中備には仙人。扉上支輪には菊水と… これは珍です 桜散らしです。

唐破風下

鯉に乗った琴高仙人。無惨な事に首チョンパ。

琴高仙人

追いかける亀仙人 盧敖ろこう

盧敖仙人
五霊神社御本殿

海老虹梁は菊水。

菊水

妻壁には松の木があり 二重虹梁間の蟇股は 波に日の出。

松の木 陽 菊水

鯛を押さえる蛭子さま。

蛭子と童子

その後ろでは弁天さまが笑っています。

蛭子と弁財天と童子

童子の服には桐花紋。かなり精緻な彩色だった様です。

蛭子と弁財天と童子
五霊神社御本殿

腰羽目は唐獅子牡丹です。

唐獅子牡丹

背面に廻ります。

五霊神社御本殿

脇障子は背面から見る構図になっています。

寿老人

たくさんいる鶴仙人ですが 他との兼ね合いから考えて寿老人でしょう。

寿老人

胴羽目は唐子と布袋尊。これも往時はさぞかし豪奢な彩色だった事でしょう。

唐子と布袋尊

腰羽目は犀でした。

犀

左側脇障子は欠損です。

五霊神社御本殿
童子
大黒

大黒さまと毘沙門天。弁天さまとは言うけど 大黒天さまとはあまり言わないですね。毘沙門天はいつも呼び捨て。

大黒と毘沙門天
大黒と毘沙門天

組物間は菊水と桜散らしと 見切れてしまいましたが 紅葉散らし。どれも刺青では定番の図案です。

松の木 月 菊水 桜散らし
五霊神社御本殿

腰羽目。

唐獅子牡丹

海老虹梁。

菊水
五霊神社御本殿

往時の煌びやかさを忍ばせる素晴らしい御本殿でした。

刺青師・龍元

050(2023.05.03)

コメント

  1. より:

    朽ちていくと思われる祠を一か所に集め、建物の中でお祀りし、いつでも誰でも近くで参拝できる。 悪戯、盗難、そんなことを一切考えないで純粋な気持ちでお祀りしている感があり、信じ切っている感が良いですよね!!遠いけど再訪したい神社です。

    • 錺さん おはよう御座います。
      純粋な気持ちでお祀りというのは良いですね。都市部では悪い人が一杯いるので出来ませんね。何てったって、ここら辺で1番多い不審者はクマですからね!

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