令和五年四月上旬 群馬県片品村の五霊神社に参拝しました。
鳥居も狛犬もありませんでした。
覆屋の中には六棟の御本殿がありました。
中央に鎮座する一番大きな御本殿。
唐破風の上から 鬼面が参拝者を迎えます。
向拝です。
唐破風下は錦鶏でしょうか。中備には仙人。扉上支輪には菊水と… これは珍です 桜散らしです。
鯉に乗った琴高仙人。無惨な事に首チョンパ。
追いかける亀仙人 盧敖。
海老虹梁は菊水。
妻壁には松の木があり 二重虹梁間の蟇股は 波に日の出。
鯛を押さえる蛭子さま。
その後ろでは弁天さまが笑っています。
童子の服には桐花紋。かなり精緻な彩色だった様です。
腰羽目は唐獅子牡丹です。
背面に廻ります。
脇障子は背面から見る構図になっています。
たくさんいる鶴仙人ですが 他との兼ね合いから考えて寿老人でしょう。
胴羽目は唐子と布袋尊。これも往時はさぞかし豪奢な彩色だった事でしょう。
腰羽目は犀でした。
左側脇障子は欠損です。
大黒さまと毘沙門天。弁天さまとは言うけど 大黒天さまとはあまり言わないですね。毘沙門天はいつも呼び捨て。
組物間は菊水と桜散らしと 見切れてしまいましたが 紅葉散らし。どれも刺青では定番の図案です。
腰羽目。
海老虹梁。
往時の煌びやかさを忍ばせる素晴らしい御本殿でした。
刺青師・龍元
050(2023.05.03)
コメント
朽ちていくと思われる祠を一か所に集め、建物の中でお祀りし、いつでも誰でも近くで参拝できる。 悪戯、盗難、そんなことを一切考えないで純粋な気持ちでお祀りしている感があり、信じ切っている感が良いですよね!!遠いけど再訪したい神社です。
錺さん おはよう御座います。
純粋な気持ちでお祀りというのは良いですね。都市部では悪い人が一杯いるので出来ませんね。何てったって、ここら辺で1番多い不審者はクマですからね!