令和四年十一月中旬 群馬県前橋市の一本木稲荷神社に参拝しました 別名を植野惣社稲荷神社という様です
![一本木神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/IMG_8400-1.jpeg)
創立年代不詳
明和七年(1770)本殿と覆屋建立
本殿彫師 関口文次郎他四名
元治元年(1864)現拝殿及び神楽殿など修復再建
拝殿彫師 小林源太郎(旧姓長谷川)藤原正俊
御祭神 宇迦之御魂神 (案内板より)
![一本木神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/12/IMG_8401-1.jpeg)
向拝は見事な彫り物で飾られています
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唐破風下は子引き龍
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中々シャープな顔付きの龍です
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中備は三条小鍛冶宗近です
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天下五剣の一つ 国宝の三日月宗近の作者です
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宗近は勅命により御剣を打たなければならなかったが 見合う力量の相槌が見つからず進退極まっていた そこで稲荷明神に祈願すると 少年が現れて相槌を打つという
少年は稲荷神の化身であった
こうして御剣・小狐丸は無事に朝廷に献上された という話
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稲荷神は 般若の様に鬼気迫る顔だったり 髭モジャのオジさんだったりする事も多いですが ここのは女性もしくは美少年です
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海老虹梁には龍が絡みついていました
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ガオー
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子引き龍ですね 実はこの裏にももう一匹子龍がいます
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左側の海老虹梁にも子引き龍
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親龍の鱗の形は通常の扇型
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子龍の鱗は菱形
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裏側の子龍の鱗はレンガの様に四角いです こんな鱗は横瀬町の中郷諏訪神社 川越市の的場八幡神社でも見た事があります
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正面扉脇板には孔雀 扉には仙人や狐 唐獅子などの彫り物がありました
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仙人 左から虎仙人の董奉と龍仙人の陳楠
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優しそうな虎ですが 董奉仙人の用心棒です
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なぜか後ろ手に椀を構える陳楠 童子に見せない様にしてるのか?
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錦鶏仙人と亀仙人の黄安
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錦鶏仙人は桶川市の氷川天満神社の手水舎にもありましたが どなたなのでしょう? ご存知の方がいたら教えてください
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黄安は三千年に一回頭を出す亀の頭を5回見たと言い張ります
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脇障子にも素晴らしい仙人の彫り物がありました
左側脇障子は八仙の一人 張果老の瓢箪から駒 通玄先生とも云います
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白驢に乗って一日に数万里を行き 休息する時は驢馬をたたんで腰の瓢に納め 乗る時は瓢の水を噴くと たちまち驢馬が現われたと云われます。。。が。。。
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随分とデッカい瓢箪です この大きさの瓢箪を持ち歩く位なら 馬(もしくは驢馬)をそのまま引いた方が良いと思いますが いかがでしょうか?
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裏側も丁寧に彫られています
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童子達も表情豊か
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右側の脇障子 こちらはどなたでしょうか? 梅福で良いのかな?
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今までは 鳳凰のそばで簫(中国の縦笛)か笙(雅楽で使う管楽器)を吹いていれば蕭史 青鸞(鳳凰と区別つかず)に乗っていれば梅福として来ましたが。。。
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こちらの裏側も丁寧に彫られています
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さて 御本殿はと言うと 玉垣の中に覆屋があり 窓はご覧の通りの難関です
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案内板によると 御本殿彫師はこれまた名工の関口文次郎という事だったので 期待しながら如意棒を伸ばしてみると 彫り物は脇障子や支輪などの小さな物だけ
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残念な気がすると同時に この窓じゃどうせ写真は上手く撮れないのでホッとした様な。。。
さすが小林源太郎 素晴らしい彫り物でした
刺青師・龍元
146(2022.12.18)
コメント
おはようございます。
おお~!御本殿も撮影されたんですね!
私はまだ技を習得する前に行ったので初めて見ました。
てっきり胴羽目彫刻があるものと思いいつかチャレンジにしに行こうと思っていたのですが、おかげで無駄足を踏まずにすみました(笑)ありがとうございます。
ところで近所の犬がすごくうるさくなかったですか?
うるさくて落ち着けず残念だったという記憶があります。
おはよう御座います Shin-Zさん
案内板を見た時にはワクワクしたのですがね。残念ながら胴羽目はありませんでした。
犬ですか?記憶にはありませんが。
向拝周りや、脇障子が立派なので、御本殿が気になっていましたが、
胴羽目彫刻はなかったのですね
情報ありがとうございました。
おはよう御座います 錺さん
皆さん早起きですね。
覆屋には三面に窓が有り、三面とも写真を撮りましたが胴羽目は有りませんでした。他に神楽殿の梁に龍の浮き彫りが取り付けられていました。
onijiiです。
小林源太郎素晴らしいですね。
目を懲らしてしまいます。
是非行こうと思います。
Onijiiさん おはよう御座います。
地域的なものだと思いますが、最近は小林源八や源太郎の彫り物に出会う事が多いです。やっぱり名工と云われる人たちの作品は違いますね。