令和五年一月中旬 群馬県榛東村の宿稲荷神社に再訪しました。
龍が沢山あるので今回は 龍に絞って紹介します。
天文十年(1541)創建
元治元年(1864)本殿拝殿築造
御祭神 宇迦之御魂神 波邇夜麻姫命
本殿拝殿彫師 花輪 三代目石原常八と一門 沼田 関左膳正義 と推定
拝殿
案内板には「石原常造・常八・常八郎他一族の手になる」とあります。
石原常造というのは三代・石原常八の事みたいですね。
こちら↓は須影八幡神社胴羽目の八岐大蛇。三代・石原常八の作品とされている様ですが、なるほどそっくりですね。
他に歓喜院貴惣門の龍も三代・石原常八がメインで彫ったと言われているみたいです。
令和元年に参拝した時はここの龍たちにブッ飛びました。
桁隠しの応龍は少し趣きが違います。
一門の彫師の他に関左膳正義という人がいたみたいですから、全部が石原一門という訳ではないのだと思います。
御本殿
御本殿の龍も凄いんです。
私が寺社彫刻巡りを始めたきっかけは龍の勉強の為です。
龍の何が難しいって 実際にはいない物ですからね
いかに本物っぽく表現するか
それでいて リアル過ぎてもつまらない物になってしまいます。
四年前の記事で、ここで一つの解答を見つけた気がすると書きましたが、実際には、過去の偉人の作品を自分の仕事に落とし込む事は非常に困難な作業です。
そのまま真似してしまっては自分ではなくなるし
なんてったって異業種
作法も違えば 対象物も違います。
それでも下敷きとなる伝説や物語など 共通する部分も多いです。
浮世絵と刺青は「江戸文化の双子の徒花」なんて云いますが
それに宮彫りを加えて「三つ子の徒花」と言いたいです。
徒花を辞書で引くと「咲いても実を結ばずに散る花。転じて、実 (じつ) を伴わない物事。むだ花」とあります。
神社を徒花なんて 神様に失礼な気もしますが
世の人の宮彫りに対する扱いは まさにそんな感じですよね。
生きる為に不要不急な物 芸術ってのはそういう物です。
もっと世に広く認められると良い と思いますが
大事に仕舞って 隠して見えない様にするっていうんじゃ 困ります。
胴羽目の写真も撮って来たので其の二で紹介します。
刺青師・龍元
025-01(2023.02.27)
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