秘伝の呪文をムニャムニャ 飯田岩次郎 [大雷神社] 埼玉県

大雷神社社号額 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年四月吉日、埼玉県東松山市の大雷神社に参拝しました。

大雷神社鳥居
大雷神社拝殿

由緒

貞観元年(859)創建
慶応元年(1866)現社殿再建
御祭神 大雷命(おおいかずちのみこと)
別名 水分神社
彫師 飯田岩次郎
南向き


拝殿

木鼻には定番中の定番の獅子、水引虹梁上には、兎毛通しには鶴ですね。シンプルな向拝です。

拝殿向拝

社号額は見事なの彫り物で飾られていました。

大雷神社社号額

下のの鱗が変わっています。

大雷神社社号額

横瀬町の中郷諏訪神社の向拝柱にも同じ形の鱗のがいましたが、そうやって見るとの顔も似ています。同じ彫師なのでしょうか?

中郷諏訪神社向拝柱
横瀬町中郷諏訪神社の向拝柱

御本殿

裏へまわると覆屋に守られた御本殿があります。

大雷神社

がっちりと隙間の無い覆屋の窓には曇りガラスがはまっていましたが、師匠に教わった秘伝の呪文を唱えると中を鑑賞する事が出来ました。

覆屋窓

胴羽目・腰羽目・脇障子・海老虹梁・向拝柱その他、地紋彫りもぎっしり、彫り物満載の非常に保存状態の良い御本殿がありました。

大雷神社御本殿
海老虹梁の龍

胴羽目

向かって左面は「黄石公と張遼 張良」。靴と引き換えに兵法書を渡そうとしてしまっていますが、本当の徒弟制度はこんなに楽ではありません。

黄石公と張良

師匠によると、左から張飛・劉備・関羽で、三国志の「桃源 桃園の誓い」だそうです。三国志は難しい。

桃園結義

右面は「許由と巣父」。帝に地位を譲ると言われ、耳が穢れたと言って川へ耳を洗いに行った潔癖性の許由と、それを聞いて、穢れた耳を洗った水を牛に飲ませる訳にいかないと変人比べをする巣父。

許由巣父

私は宮彫り巡りの師匠に、靴を拾うどころか何もした事がないのに、奥義や秘伝を授かってしまっています。感謝とともに恐縮至極です。

刺青師・龍元

066(2020.04.13)

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