令和二年四月吉日、埼玉県東松山市の大雷神社に参拝しました。
由緒
貞観元年(859)創建
慶応元年(1866)現社殿再建
御祭神 大雷命(おおいかずちのみこと)
別名 水分神社
彫師 飯田岩次郎
南向き
拝殿
木鼻には定番中の定番の獅子と獏、水引虹梁上には龍、兎毛通しには鶴ですね。シンプルな向拝です。
社号額は見事な龍の彫り物で飾られていました。
下の龍の鱗が変わっています。
横瀬町の中郷諏訪神社の向拝柱にも同じ形の鱗の龍がいましたが、そうやって見ると龍の顔も似ています。同じ彫師なのでしょうか?
御本殿
裏へまわると覆屋に守られた御本殿があります。
がっちりと隙間の無い覆屋の窓には曇りガラスがはまっていましたが、師匠に教わった秘伝の呪文を唱えると中を鑑賞する事が出来ました。
胴羽目・腰羽目・脇障子・海老虹梁・向拝柱その他、地紋彫りもぎっしり、彫り物満載の非常に保存状態の良い御本殿がありました。
胴羽目
向かって左面は「黄石公と張遼 張良」。靴と引き換えに兵法書を渡そうとしてしまっていますが、本当の徒弟制度はこんなに楽ではありません。
師匠によると、左から張飛・劉備・関羽で、三国志の「桃源 桃園の誓い」だそうです。三国志は難しい。
右面は「許由と巣父」。帝に地位を譲ると言われ、耳が穢れたと言って川へ耳を洗いに行った潔癖性の許由と、それを聞いて、穢れた耳を洗った水を牛に飲ませる訳にいかないと変人比べをする巣父。
私は宮彫り巡りの師匠に、靴を拾うどころか何もした事がないのに、奥義や秘伝を授かってしまっています。感謝とともに恐縮至極です。
刺青師・龍元
066(2020.04.13)
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