令和五年七月中旬 群馬県桐生市の諏訪神社に参拝しました。
![諏訪神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4305-1.jpeg)
寛文四年(1664)現存奥院造立
大正十四年(1925)現地へ遷座
昭和九年(1934)拝殿改築
御祭神 建御名方神
![諏訪神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4304-1.jpeg)
昭和九年に改築されたという拝殿。
![諏訪神社向拝](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4114-1.jpg)
向拝の龍です。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4066-1.jpg)
龍の裏には「熊谷市彫刻師光治福島九五」と刻銘がありました。ググると福島光治という彫師がいた様ですが 昭和九年頃は名前と苗字を逆に名乗る習慣があったのでしょうか。九五というのも意味不明。まさか95歳という意味ではないでしょう。
![熊谷市彫刻師光治福島九五](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4125-1.jpg)
棟梁の橋本さんや脇棟梁の金子さん三宅さんたちは普通です。やっぱり昭和に入ると名前が普通で読みやすくて良いですね 光治福島さんは…よっぽどの変わり者なのか それとも何かの謎かけか?
透き塀の中には立派な御本殿が鎮座していました。
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4295-1.jpeg)
唐破風下には司馬温公甕割がありました。
![司馬温公瓶割](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4079-1.jpg)
司馬温公が子供の時 水の入った大甕で遊んでいて中に落ちた友達を助ける為に 高価な大甕を躊躇なく石で割りました。 父親は叱るどころか司馬温公を褒め称えた という話。
![司馬温公瓶割](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4094-1.jpg)
中備の龍。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4091-1.jpg)
こちらから見るとちょっと変な顔。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4077-1.jpg)
案内板には1664年現奥院造立となっていましたが 360年前の彫物にはちょっと見えません。
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4121-2-1.jpg)
脇障子は琴高仙人。
![琴高仙人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4071-1.jpg)
琴高は琴が巧みで 河の龍子を捕えると言って水に入り 鯉に乗って現れて人々を驚かせたという 何がしたいのか理解に苦しむ 愉快犯的な仙人。
![琴高仙人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4074-1.jpg)
上から下まで彫物満載です。
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4122-1.jpg)
胴羽目は鳳凰です。
![鸞もしくは鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4111-1.jpg)
でも鸞かも知れません。
![鸞もしくは鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4080-2-1.jpg)
四隅持ち送りは龍で 体が腰羽目に伸びています。この腰羽目は後付けの様ですね。
![縁下四隅持ち送りの龍と腰羽目](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4082-1.jpg)
脇障子は裏側までしっかりと彫られていました。
![琴高仙人の後ろ姿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4084-2.jpg)
背面です。
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4297-1.jpeg)
胴羽目は松に鶴。
![松に鶴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4112-1.jpg)
なかなか精巧に彫られています。
![鶴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4089-1.jpg)
地紋彫りも凄いですね。
![鍾離権 上利剣 もしくは呂洞賓](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4090-1.jpg)
さて 仙人とは無駄な事に全霊を傾ける人達の様ですが 理解に苦しむという点でかなり良いセン行っているのが この鍾離権という人。剣に立って波上を進みます。
![鍾離権 上利剣 もしくは呂洞賓](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4103-1.jpg)
何処へ行くのか?なぜ剣に乗るのか?と考えるのは野暮な事かも知れません。
剣乗り仙人には上利剣というのもいますが 鍾離権と同一人物だという説があります。また鍾離権の弟子の呂洞賓もこの術が使えると言われています。
![鍾離権 上利剣 もしくは呂洞賓](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4102-1.jpg)
左面です。
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4117-1.jpg)
二重虹梁間には麒麟とその下は何かの鳥。大虹梁の下は もう足が生えているので これは応龍です。
![犀 鷺? 応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4108-1.jpg)
胴羽目の上には粟穂と鶉。
![粟穂に鶉](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4107-1.jpg)
こちらの胴羽目には松と牡丹があるので 鸞という事にします。
![鸞もしくは鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4106-1.jpg)
でも鳳凰に牡丹を合わせる事も無い訳では無い様なので やっぱり鳳凰かも知れません。
![鸞もしくは鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4104-1.jpg)
腰羽目には持ち送りの龍の尾と爪が波間に見え隠れしています。
![腰羽目の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4105-1.jpg)
![](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4100-1.jpg)
![諏訪神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/08/IMG_4301-1.jpeg)
なかなか渋い御本殿でした。
刺青師・龍元
083(2023.08.20)
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