重要文化財附指定 [機神神社(桐生天満宮境内社)] 群馬県

向拝の龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和五年七月中旬 群馬県桐生市の機神神社はたがみじんじゃに参拝しました。

機神神社

寛政四年(1793)造営
明治四一年(1908)天神町菅原神社より移築
令和五年(2023)六月 重要文化財附指定
御祭神 栲機千千姫命たくはたちぢひめのみこと

立派な御本殿が鎮座しています。

機神神社御本殿

向拝の龍です。

向拝の龍
機神神社御本殿向拝
機神神社御本殿向拝

木階下の蹴込み板には兎。

唐子遊び

浜床下は唐子遊びです。

唐子遊び

脇障子は鷹でしょうか。

機神神社御本殿

彫刻満載の御本殿をグロテスクと感じる人がいる様ですが
この角度で見ると まあ分からないでもない様な。。。
壁から龍の頭がニョキニョキ生えていて
エイリアンの映画を思い出します。

機神神社御本殿

右側に廻ります。

機神神社御本殿覆屋
機神神社御本殿

ニョキニョキ突き出ている様に見える 龍の頭と獏の頭。

龍頭 獏
機神神社御本殿

胴羽目は琴を弾く女性と唐子です。

弁財天と唐子

他の胴羽目との兼ね合いから考えて これは弁財天だと思います。

弁財天

着物の柄が非常に細密に描かれています。

唐子

囲碁を嗜む唐子達。頬杖をつく真剣な眼差しの唐子が印象的です。

唐子

腰羽目は唐子遊びです。

唐子遊び 海馬
唐子遊び

背面に廻ります。

機神神社御本殿

胴羽目は 大きな袋を持っている人物と唐子。

大黒天と唐子

打ち出の小槌を持ってないですが 唐子の奥に米俵があるので大黒天だと思います。

大黒天と唐子

二百年以上前の古い彫刻です。 

唐子

彩色を修繕したのではないとすれば ずっと覆屋の中にあったのかなと思います

唐子

こちらの腰羽目も唐子遊びです。

唐子遊び

その下は波上を走る馬。炎があるのでこれは海馬でしょう。今まで散々珍だ珍だと言って来ましたが 案外そこら中にあります。

海馬

左面です。

機神神社御本殿

こちらの胴羽目は書をする人物と唐子。

恵比寿天と唐子

左端の唐子が 鯛の様な魚を担いているので これは恵比寿さんでしょう。

唐子

左右で琴棋書画なのだと思います。 

恵比寿天

四芸と言いますが 書と画の区別がちょっと曖昧で 書画で一つの項目になっている事もある様です。

唐子

腰羽目です。

唐子遊び 海馬

これくらいの寂れ具合が好きです。

唐子遊び

刺青師・龍元

082(2023.08.17)

コメント

  1. onijiiです より:

    onijiiです。
    寂れ具合が堪りませんねえ。
    劣化しているというよりは、
    年季が入っていると言う方が
    適切のような気がします。

    江戸時代の貴重な文化財が、
    大事に守られていることに
    感謝したいと思います。

    • Onijiiさん こんにちは
      年季が入っているという言い方は良いですね。きっと大事に屋内で守られて来たのでしょう。往時は妻沼聖天堂の様に煌びやかだったのでしょうね。でも、これ位の寂れ具合の方が重みがあって良いですね。

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