下渕名の名工 弥勒寺音次郎・弥勒寺音八 父子の妙技が光る [平塚赤城神社] 群馬県

平塚赤城神社御本殿右面腰羽目 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年四月吉日、群馬県伊勢崎市の平塚赤城神社に参拝しました。

平塚赤城神社鳥居

さいたま市からスタートして、とうとう利根川を越えて群馬までフラフラとやって来てしまいました。

平塚赤城神社社殿

由緒

鎌倉時代末期創建
嘉永六年(1853)現本殿造営
明治十四年(1867)現拝殿造営
御祭神 
大己貴命(おおなむちのみこと)
豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)
彫師 弥勒寺音次郎・音八父子
南向き

平塚赤城神社案内板

御本殿はかなり高い位置にあります。保存状態は良好です。案内書には脇障子に「赤壁高士舟遊」「虎渓三笑」があるとなっていますが、脇障子は両側とも外されていました。

平塚赤城神社御本殿

左面の胴羽目「天岩戸」。

天岩戸

背面胴羽目は「高砂」。

高砂  

右面胴羽目は 武内宿禰神宮皇后の「干珠満珠」。

武内宿禰と神功皇后龍宮より宝珠を得る

右面にだけ腰羽目が残っていました。「唐子の獅子舞」と「唐子の演奏」。縁下四隅持送りにはがあしらってあります。

平塚赤城神社御本殿右面腰羽目

左に写っているの下には亀がいるなぁと、カメラの液晶でチェックしていると、の横、亀の上辺りに何か羽衣の様なものが波にたなびいています。

拡大すると確かにこれは着物の袖の様です。

亀

左の開口部から確認してみると、持送りのに肘鉄を喰らいながら、確かに誰かがそこにいます。

肘鉄を食らう老人

おお!これはきっと亀仙人の「黄安」でしょう。

黄安仙人

という事は反対側にも誰かいるのだ、と確認してみると魚の尻尾と人の足が見えます。という事は、こちらは「琴高」か。

鯉仙人

まるで、電車とプラットフォームに挟まれた老人の様な人物がそこにいました。

琴高仙人

う〜ん、さすが弥勒寺父子、芸が細かい!

刺青師・龍元

083(2020.04.27)

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