孤高の韻士と長寿の道士と伝説の隠士 [石神社] 東京都

鳳凰頭 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和四年十一月上旬 東京都青梅市の石神社に参拝しました 

石神社鳥居

いし神社ではなく いしがみ社の様です

御祭神 厳永姫命いわながひめのみこと

石神社拝殿

採光・格子の幅充分 鑑賞・撮影には申し分ない覆屋です

石神社御本殿覆屋

彫り物てんこ盛りの御本殿

石神社御本殿

尾垂木の蜃と象と 龍と獏と鳳凰頭

蜃と象と龍と獏と鳳凰頭

扉脇には竹に鶴の彫り物

竹に鶴

脇障子は鷹です

石神社御本殿胴羽目と脇障子

胴羽目は李白観瀑

李白観瀑

『望廬山瀑布水』(廬山の瀑布を望む)
日照香炉生紫煙 (日は香炉を照らし紫煙生ず)
遥看瀑布挂長川 (遥かに看る瀑布の前川ぜんせんくるを)
飛流直下三千尺 (飛流直下三千尺)
疑見銀河落九天 (疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるかと)

李白

「先生〜お酒持って来ました」

童子

木階下きざはししたは菊水 浜床下や持ち送りなども水もので統一

石神社御本殿

縁下には火除けの犀

犀
石神社御本殿
蜃と象と龍と獏と鳳凰頭

背面胴羽目は 鹿がいるので寿老人と思います

寿老人

「支那宋の元祐中の人にて 寿星の化身なりと云ふ 七福神の一として常に画かる

寿老人

其像白髪にして秀目豊髯 幅巾野服し身の長三尺 頭と相半し杖を携へ団扇を持し 鹿を伴ふ」

寿老人
童子

縁下の犀

犀
石神社御本殿
石神社御本殿

左面胴羽目は許由巣父 

「許由巣父共に支那古代の隠士にして 清節を以て知られたるものなり

許由巣父

許由は箕山きざんの隠士なり 尭つて許由の賢を聞き之に天下を譲らんとす 許由之をがえんぜず くの如き事を聴く我が耳汚れたりと 頴川えいせんの河水を以て其の耳を洗えりという

許由

時に巣父之を耳にし 許由が汚れたる耳を洗える頴川えいせんの水は更に穢れたりとて之を渡ることをがえんぜざりしという」

巣父
石神社御本殿

脇障子は松に鷹 正面扉脇は竹に鶴ですね

石神社御本殿胴羽目と脇障子

各面軒下左右に三つづつ 計二十四の鳳凰頭

鳳凰頭

彫り物の状態もよく 見応えがあります

刺青師・龍元

139(2022.11.26)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    人物の顔に痺れますね。
    いつまでも眺めていたいような。

    24点もの鳳凰頭に大喜びしました。(笑)

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