二柱神社 其の一 の続きです
寛政九年(1797)再建の御本殿です 彫師は磯辺儀左衛門秀重
まず右面から

3枚ある胴羽目の1番左は 玉巵弾琴

若く絶世の美女で 一弦の琴を弾き 白龍に乗って四海を飛遊する玉巵は西王母の末娘です

この龍を見ると 拝殿向拝も磯辺儀左衛門秀重なのかな と思ったりしますが 私には分かりません


真ん中は唐子の演奏でしょうか


右の胴羽目は魚に乗った仙人

魚の頭が龍の様に棘ばっているので これは子英仙人でしょう

脇障子は童子を伴った杖仙人 どなたかは不明です

背面にも胴羽目が3枚

左の胴羽目は 馬師皇

師皇は馬の医者でしたが その名声が天にまで届いて 龍が診て貰いに来た と云われます


その隣は 孔子懐妊 または 麟吐玉書 もしかしたら 上元夫人

この麒麟はどこかで見た事があります

↓茨城県桜川市の八柱神社の麒麟とソックリですが こちらは磯辺家分家の磯辺義兵衛英信の作 これだけ似てれば 同じ人の作品だと決め付けてしまいそうです


左の胴羽目は蕭史仙人

笙を吹いて 鳳凰を呼ぶ事ができます

左面に廻ります

老人二人の前に唐子が集っています

良く見ると 童子に混じって老人が転がっているので 唐突ですがこれは 二十四孝の老莱子でしょう


その隣は 何だか分かりません 偉そうな老人の周りに女性が数人います


これは梅妻鶴子の林和靖で間違いないと思います

宋代の詩人林逋は 妻子をもたず庭に梅を植え鶴を飼い 杭州の街には20年間足を踏み入れなかったそうです

あろう事か 左側脇障子を撮るのを忘れてしまいました 右側脇障子とは対になっていたかも知れなかったんですが。。。 またいつか来てみようと思います
まだまだ沢山 良い彫り物があったので また次回に。。。
刺青師・龍元
097-02(2022.08.06)
コメント
onijiiです。
素晴らしい彫刻がてんこ盛りですね!
人物の顔を見るのがとても楽しみです。
現地ではよく見えないので、写真を
見てニヤニヤしてます。(笑)
昔の彫り師は凄いなあといつも感心。
昔の人は凄いですね。これが全部人力ですもんね。夜は暗くて出来なかっただろうし、大きな作品をトラックで届けて貰うって訳にもいかないし。現代人が当たり前と思ってる事でも、この時代の人には大きな障害ですね。
大きな物だけでもこんなに沢山有りましたが、細かい物も良いのが沢山有ったので、次回お楽しみに。