[不老山布田薬王寺本堂 其の一 向拝と外陣] からの続きです
正面背面の軒下に5枚づつ、左右側面の軒下に6枚づつの計22枚、平埜惣吉が明治二十九年(1896)に製作した欄間があります
![不老山布田薬王寺](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5482-1.jpg)
正面一番左の欄間 麒麟です 木目がキツいです
![麒麟](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5458-1.jpg)
その隣は応龍です 波が細かい!
![応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5457-2.jpg)
真ん中は扁額に隠れて見えませんでしたが 端には亀の様なものが彫ってありました
![不老山布田薬王寺](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5479-1.jpg)
右から2番目も応龍
![応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5459-2-1.jpg)
1番右は麒麟です 木目がキツくて目がショボショボします
![麒麟](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5460-1.jpg)
木目のキツさから言って 内外陣境欄間の両端2枚の天女はもしかしたら 軒下欄間と同じ彫師 平埜惣吉なのかも なんて素人目に感じました
![不老山布田薬王寺](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5478-1.jpg)
右側面左端 鳳凰です
![鳳凰](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5462-1.jpg)
2番目は鶴
![鶴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5463-1.jpg)
3番目 龍です
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5464-1.jpg)
またまた応龍
![応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5465-1.jpg)
ピンボケになってしまいました 5番目は犀 甲羅が小さいです
![犀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5466-1.jpg)
1番右端は龍
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5467-2-1.jpg)
私が写真を撮っていると
掃除道具を持った 3人のご婦人方が歩いて来ました
さっきから話し声が聞こえていたので 分かってはいたのですが
こちらから行くと 警戒される事が多いので
「こんにちは」と通りすがり際に 挨拶しました
背面です
![不老山布田薬王寺](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_2444-1.jpeg)
左端は孔雀です
![孔雀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5468-1.jpg)
2番目は龍
![応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5469-1.jpg)
中央も龍 平埜惣吉は龍好きの様です
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5470-1.jpg)
犀です
![犀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5471-1.jpg)
松に鶴
![鶴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5472-1.jpg)
私 「ここ 凄い彫刻ですね」
ご婦人A 「ねえ 凄いですよね」
私 「写真 構わないですか 撮っても」
ご婦人B 「ええ ええ いいですよ いっぱい撮っていって下さい」
ご婦人C 「どちらからいらしたの?」
私 「東京の〇〇です」
ご婦人A 「あら〜そんな遠い所から」
私はそんなに遠くないと思いましたが まあ人それぞれの感覚です
ご婦人B 「なんで こちらに来たの?」
私 「この彫刻を見に来たんですよ」
ご婦人方も3人いると心強いとみえて マスクもしていない髭伸び放題の私相手に 質問責めです
左側面
![不老山布田薬王寺](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5474-1.jpg)
左端は唐獅子牡丹
![唐獅子牡丹](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5473-1.jpg)
またもや応龍
![応龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5508-1.jpg)
3番目は波間に舞う鶴ですね
![翔鶴](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5507-1.jpg)
4番目 んん?
![キリン](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5506-1.jpg)
これは舌の形から言って キリンではないでしょうか? 麒麟ではなく動物園にいるキリンです だとすれば非常に珍だと思います
![キリン](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5506-2-1.jpg)
5番目は虎です
![虎](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5501-1.jpg)
この虎 向拝の虎に似ている と思います
![欄間の虎](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5501-2-1.jpg)
向拝の虎↓の彫師は中村交文という人らしいんですが 平埜惣吉とは関係のある人なのかな?
![向拝の虎](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5591-3-1.jpg)
1番右は鷹でした
![鷹](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5500-1.jpg)
ご婦人C 「なんで あなたここの彫刻の事 知ってるの?」
私 「え〜?だって有名じゃないですか」
ご婦人同士「ほら やっぱり有名なんだって」
「そうよ 立派な彫刻だもの」
「ゆっくり撮っていって下さいね」
これでご婦人方は家に帰って このお寺の彫刻が有名だという事を 旦那さんや娘や息子、近所の人に力説する事でしょう
誰より住職には真っ先に話すでしょうから 住職も色々な人や役所の人に力説して 補助金が出て大切にしてさらに有名になって という流れを期待します なんてね
以前「いかに寺社彫刻がないがしろにされているか」を地元の人に力説してしまい 寺社彫刻探求道の師に叱られた事があります
次回はいよいよ内陣です
刺青師・龍元
077-02(2022.06.08)
コメント
onijiiです。
キリンのようですね!
他では見たことがないです!!
これは激珍、大発見ですね!!!
現地では気付きませんでした。(笑)
会話が面白いですね。
自分は怪しまれないように、彫刻を
見に来ましたと先に挨拶してます。
中を物色する不審者ですから。(笑)
ですよね!タイトルを[平埜惣吉の激珍彫り物]に変更します。
普通に歩みよると何故か警戒されるんですよね。なのでカメラを大袈裟に構えて、写真撮りに来ましたアピールしながら近づきます。