[不老山布田薬王寺本堂 其の一 向拝と外陣] からの続きです
正面背面の軒下に5枚づつ、左右側面の軒下に6枚づつの計22枚、平埜惣吉が明治二十九年(1896)に製作した欄間があります
正面一番左の欄間 麒麟です 木目がキツいです
その隣は応龍です 波が細かい!
真ん中は扁額に隠れて見えませんでしたが 端には亀の様なものが彫ってありました
右から2番目も応龍
1番右は麒麟です 木目がキツくて目がショボショボします
木目のキツさから言って 内外陣境欄間の両端2枚の天女はもしかしたら 軒下欄間と同じ彫師 平埜惣吉なのかも なんて素人目に感じました
右側面左端 鳳凰です
2番目は鶴
3番目 龍です
またまた応龍
ピンボケになってしまいました 5番目は犀 甲羅が小さいです
1番右端は龍
私が写真を撮っていると
掃除道具を持った 3人のご婦人方が歩いて来ました
さっきから話し声が聞こえていたので 分かってはいたのですが
こちらから行くと 警戒される事が多いので
「こんにちは」と通りすがり際に 挨拶しました
背面です
左端は孔雀です
2番目は龍
中央も龍 平埜惣吉は龍好きの様です
犀です
松に鶴
私 「ここ 凄い彫刻ですね」
ご婦人A 「ねえ 凄いですよね」
私 「写真 構わないですか 撮っても」
ご婦人B 「ええ ええ いいですよ いっぱい撮っていって下さい」
ご婦人C 「どちらからいらしたの?」
私 「東京の〇〇です」
ご婦人A 「あら〜そんな遠い所から」
私はそんなに遠くないと思いましたが まあ人それぞれの感覚です
ご婦人B 「なんで こちらに来たの?」
私 「この彫刻を見に来たんですよ」
ご婦人方も3人いると心強いとみえて マスクもしていない髭伸び放題の私相手に 質問責めです
左側面
左端は唐獅子牡丹
またもや応龍
3番目は波間に舞う鶴ですね
4番目 んん?
これは舌の形から言って キリンではないでしょうか? 麒麟ではなく動物園にいるキリンです だとすれば非常に珍だと思います
5番目は虎です
この虎 向拝の虎に似ている と思います
向拝の虎↓の彫師は中村交文という人らしいんですが 平埜惣吉とは関係のある人なのかな?
1番右は鷹でした
ご婦人C 「なんで あなたここの彫刻の事 知ってるの?」
私 「え〜?だって有名じゃないですか」
ご婦人同士「ほら やっぱり有名なんだって」
「そうよ 立派な彫刻だもの」
「ゆっくり撮っていって下さいね」
これでご婦人方は家に帰って このお寺の彫刻が有名だという事を 旦那さんや娘や息子、近所の人に力説する事でしょう
誰より住職には真っ先に話すでしょうから 住職も色々な人や役所の人に力説して 補助金が出て大切にしてさらに有名になって という流れを期待します なんてね
以前「いかに寺社彫刻がないがしろにされているか」を地元の人に力説してしまい 寺社彫刻探求道の師に叱られた事があります
次回はいよいよ内陣です
刺青師・龍元
077-02(2022.06.08)
コメント
onijiiです。
キリンのようですね!
他では見たことがないです!!
これは激珍、大発見ですね!!!
現地では気付きませんでした。(笑)
会話が面白いですね。
自分は怪しまれないように、彫刻を
見に来ましたと先に挨拶してます。
中を物色する不審者ですから。(笑)
ですよね!タイトルを[平埜惣吉の激珍彫り物]に変更します。
普通に歩みよると何故か警戒されるんですよね。なのでカメラを大袈裟に構えて、写真撮りに来ましたアピールしながら近づきます。