仙人界のツートップ [とある社 其の八] 関東

獅子鼻 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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ある時関東のとある社に参拝しました。

御本殿

左側脇障子。これは鶴だと思います。色味が鶴らしくないですが これは彩色が剥落して木の下地が見えているのでしょう。残念ながら二羽ともに頭が欠損。

松に鶴

向拝。全体的に黒々とした木材ですね。

御本殿向拝

中備。。。これは龍。。。ですよね?

向拝の龍

右側脇障子。こちらも松に鶴が二羽。

松に鶴

右面です。

御本殿

胴羽目。反対側の胴羽目との兼ね合いを考えると これは蝦蟇仙人なのでしょう。

蝦蟇仙人?

欠損している右手には蝦蟇がいたものと思われます。

蝦蟇仙人?

蝦蟇仙人の劉海蟾りゅうかいせんは財神としても人気で 明代の『列仙全伝』では八仙の一人とされています。

蝦蟇仙人?

他に 左慈さじに仙術を教わった三国時代の呉の葛玄かつげんをモデルにしているとも伝わります。

蝦蟇仙人?

背面です。

御本殿

胴羽目は波に犀。

犀

左面です。

御本殿

胴羽目は 鉄拐先生こと 李鉄拐りてっかい

李鉄拐

李鉄拐は幽体離脱の術を使います。

李鉄拐

ある日 鉄拐先生は友人に逢いに行く事になり「魂の抜けた身体を見守り 七日経っても帰って来なければ身体を焼く様に」と弟子に言いつけて 魂だけ出掛けます。

鉄拐先生の分身

ところが弟子は 母の危篤の知らせを受けて居ても立っても居られなくなり まだ六日目だというのに身体を焼いて母の元へ行ってしまいました。

鉄拐先生

帰って来た李鉄拐は仕方無しに 近くに転がっていた物乞いの死体に乗り移って蘇ります。

御本殿

彩色の寂れ方が年季を感じさせて良い具合。

御本殿

見応えのある御本殿でした。

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刺青師・龍元

045(2025.06.18)

コメント

  1. onijiiです より:

    onijiiです。
    色合いが渋くて、寂れ具合が
    堪りませんねえ。好みです。

    動画の撮り方が愛好家目線で
    とても見やすいです。
    ありがとうございます。

    • 動画をお褒めいただきありがとうございます。
      なんでも「継続は力なり」で、自分でも段々と良くなって来た様に感じます。
      相手は立体物なので、色々な角度から見るとより面白みが増しますね。

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