刺青図柄の意味 化け鯉

飛龍 刺青図柄解説
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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鯉が黄河の上流の龍門という渓谷に集まり、瀧を登り切って龍に成る事を「登龍門」と云います(この狭き門自体の事を登龍門と云う事もあります)。

龍
昇龍 龍元彫

似た言葉で
「六六変じて九九鱗(八十一鱗)となす」
という中国の古い言葉があります。これも鯉が龍に変わる事。転じて出世を表します。

鯉には頭から尾にかけて一列の鱗が約36枚あることから、6×6=36で六六鱗ろくろくりんとか六六魚こいと言ったりします。

緋鯉 龍元彫

対して九九鱗くくりんは龍の事で、龍の鱗が81枚ある、という伝説に基づくと云われます。龍にしてはちょっと少ないですね。


さて、この鯉が龍に変わる途中の姿を、刺青の世界では「龍魚」「龍鯉」「化け鯉」「進化鯉」「変化鯉」などと呼びます。

鯉が滝を登り始めると 少し棘張って来ます。

化け鯉
高椅神社楼門唐破風兎ノ毛通し

やがて、頭が龍になります。

dragon fish
化け鯉 龍元彫
龍魚
龍魚 龍元画

次に、翼がはえて来ます。

龍鯉
拝島日吉神社海老虹梁持送り

私は「龍魚」か「化け鯉」と呼んでいますが、「龍魚」というとアロワナを思い浮かべる人もいる様ですし、「化け鯉」は「鬼若丸の化け鯉退治」の様に「お化け鯉」「巨大な鯉」を言う事もあるので少し紛らわしいかも知れませんね。

進化鯉
小比企稲荷神社拝殿軒下小壁

足が生えて来ると、もうこれは化け鯉ではなく、応龍とか飛龍と呼ばれます。

応龍
八斗島稲荷神社御本殿脇障子
応龍

寺社彫刻でも良く目にしますが、これといった名称は無い様です。

たまにしゃちと呼んでる人もいる様ですが、Wikipediaには「鯱とは、姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っているという想像上の動物」とあるので、これは化け鯉とは違う生き物ですね。

刺青師・龍元

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