埼玉県東松山市の箭弓稲荷神社を訪ねました(19.02.10)。
”やきゅう”と読みます。なので、野球関係の人達の間ではプロアマ問わず有名な神社らしいです。東向きの神社です。
由緒
創建 和銅五年(712)
祭神 保食神(ウケモチノカミ)
宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)
豊受比賣神 (トヨウケヒメノカミ)
彫師 飯田仙之助と言われる
三の鳥居の扁額上には 龍 が三匹と鶴かな。扁額にも龍がたくさん彫られています。小さいですが精緻で迫力の 龍 です。
向拝周り。とにかく立派です。
向拝水引虹梁上には目抜き 龍。目がくり貫かれているので目抜き 龍 というのだそうです。くり貫かれているようには見えないですね。その上の琵琶板には 三条小鍛冶宗近。平安時代の伝説の刀鍛冶です。
三条小鍛冶宗近 は国芳も描いてますね。
本殿
本殿も立派です。
組み物には蛟と龍と獏。
本殿。とにかく立派でお金も掛かっていてたくさんの彫刻があります。
西側東側共に本殿脇障子には裏表に 唐獅子牡丹 が彫られていました。これはそのうちの一枚の 獅子 の子落とし。
西面羽目板には案内板によると「仙人の烏鷺」。烏鷺(うろ)とはカラスとサギ、黒と白で囲碁の事です。木こりが仙人の打つ囲碁を観戦していたら、彼の斧の柄が朽ちてしまう程に長い時間が経過したという話だそうです。う〜ん、仙人とはお付き合いしたくありませんな。
本殿縁下持送には犀などの他、二つが化け鯉。化け鯉っていうのは珍しいと思ってたんですが、案外あるもんですね。
案内板によると山椒魚だそうです。
う〜ん、鰐鮫に見えるんですが。。。
山椒魚にはウロコ無いし、背びれも無いんですけど。。。
ワニザメっていうのは「稲葉の白兎」でウサギが騙す相手ですね。絵本なんかでは良くサメが描かれていますが、元々は架空の生き物です。
まあ、ど素人の私なんかより案内板の方が正しいはずです。案内板を書く時には彫師の覚書や古文書なんかも調査したりするそうです。たまに「教育委員会」の調査と「保存会」の調査が食い違っている事もあるし、誤植なんかもある様ですが。。。
その他に拝殿にも脇障子があり、黄石公と張良や趙雲などの中国故事の彫り物がありました。
全体に地紋彫りと言って、毘沙門亀甲や紗綾柄、蜀江錦繋文様などの紋様が柱と言わず壁と言わず、そこら中に施されていて、それはそれは圧巻でした。
でも私は無人の神社の、高さ2〜5メートル位の大き過ぎない本殿が好きかなぁ。
〜追記 (2021.08.02)脇障子が御幣で隠れていたので、後日再訪しました。→箭弓稲荷神社 其の二
其の二を書いてて、過去の写真を整理していたら、その他蟇股などにも良い彫り物があったので追加します。写真は全部平成三十一年の物です。
拝殿唐破風兎ノ毛通し。案内板には一角霊獣とありました。いわゆる応龍とか飛龍というヤツでしょう。
奥には武内宿禰宝珠を得るの図。
蟇股にも良い彫り物がありました。これは案内板によれば王子喬。普通、王子喬は笙を吹いていますが。。。
無弦琴を奏でる陶淵明。
奥に桃の様なものがあるので、西王母だと思います。
追記終わり〜
刺青師・龍元
コメント
こんばんは。いつも記事を見ては勉強させていただいています。
こちらの箭弓稲荷神社の「山椒魚」彫刻については、全く記事の通りだと私も思いました。
山椒魚には似ていませんし!解説も後付けしたもののような気がします。
何よりも、「山椒魚」を「霊獣」の題材にしているものは他に知りません。
最初は、「おおっ、こりゃ珍しいぞ」と出かけて観てきましたが(思わず飛びつきました(笑))さらに、解説板をうのみにしていたので疑問も出てこなかったのですが、どうもおかしいぞ?となりました。
私のブログにもこちらの記事を紹介させていただきました。悪しからずご了承下さい。
こんにちは、
記事は拝見してます。どうぞどうぞ、悪口以外はドンドン広めてください。
解説版は間違っている物が多いので、注意が必要ですよね。まあ、こちらはアマチュア、向こうは専門家(多分)ですから、私は胸に仕舞っておいて時たまブログでブツブツ言ってます。。。
ところで、川越氷川神社の件はあれっきりですか?あれは大発見でしたね。今年は川越市市制施行100周年で盛大にお祭りをやるらしいので、これを機に訂正して欲しいですね。