令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第九社目 千葉県芝山町の高野神社に参拝しました。
神社についての詳細は分かりませんでした。
裏へ廻ります。
覆屋の中には立派な御本殿が鎮座していました。
業界的には小型に分類される様ですが 私が廻る神社の中では大きい御本殿です。
一本の木から削り出したと思われる 龍が巻き付く向拝柱。
中備の龍も迫力があります。
海老虹梁の龍も凄いです。
他に 正面扉に司馬温公甕割 脇板に上り下りの龍がありました。
木階下には唐獅子です。
胴羽目は 横芝光町の稲荷神社で 一魁斎さんにご教示頂きました 義経の北国落ち 安宅の関 前段。
兄の頼朝から謀反の疑いをかけられ 逃げる義経一行。山伏に扮して 奥州に向かう途中の安宅の関で 弁慶が松葉かきの童に尋ねます。
「汝らに尋ねる事あり 誠を言わば これ(扇子)を得させん もし偽らば とらすまじ この関は山伏を通すや 又通さずや」
「通すよ通すよ その扇子 おくれ!」
ふ〜む。。。弁慶はこれを聞いて喜び 童に扇子を与えてしまった様ですが。。。童が本当の事を言ってるかどうかは 行ってみないと分かりませんね。
この状況なら扇子の一つや二つ どうでも良い事ですが ちょっと頭の廻る子だったら 通さなくても「通すよ」と答えるんじゃないかな。。。弁慶は こいつはバカで正直だ と踏んだのか。。。
上の方に目をやると。。。
大虹梁上に力神さまが御坐します。
脇障子は唐子です。楽器を演奏している様です。
背面です。
胴羽目は 須佐之男命 八岐大蛇を退治する です。
単頭の龍で表現される事が多い八岐大蛇ですが ここではキッチリ八つ頭の龍です。
男性ホルモンばりばりの風貌の 須佐之男命。
おかっぱ頭の 櫛名田比売命。
左面。
胴羽目は 牛若丸 鞍馬山にて剣法を修す。
この存在感! あまりのお顔の広さに 頭巾が小さく見えてしまいます。
そんな事はお構いなしに 修練に勤しむ牛若丸。
左面の力神さまです。
脇障子は唐子の獅子舞です。
なかなか渋い面構えの獅子頭ですね。
木階下の唐獅子。
海老虹梁の龍。
見事な御本殿でした。
すぐ隣には 社号不明の境内社があり そちらにも素晴らしい彫り物があったので 次回紹介します。
刺青師・龍元
009-01(2024.01.25)
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