刺青図柄の意味 船弁慶

船弁慶 武者絵
船弁慶
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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船弁慶

船弁慶というは能や歌舞伎で人気の題材ですね。 浮世絵の題材としても人気です。その名の通り、船の上での 弁慶義経 の話です。

平家追討に功績を挙げた 義経 だったが、兄の頼朝に謀反の疑いをかけられ鎌倉方から追われる身となってしまった。 弁慶静御前 など忠実な従者と共に心細い流浪の旅を続ける 義経主従。船で西国に向かう途中、にわかに海が荒れ、滅ぼした 知盛ら平家一門の亡霊が一行に襲いかかって来た。

亡霊となって宿敵義経・弁慶主従に襲いかかる知盛
亡霊となって宿敵義経・弁慶主従に襲いかかる知盛

義経 は刀を抜いて応戦しようとするが、弁慶 はそれを押しとどめ、数珠を激しく振り念仏を唱えて、遂には 知盛 の霊を撃退する。

という話です。もちろん創作で、作者は世阿弥の甥の息子・観世小次郎信光(1450−1516)と言われています。

この他、吉野山での 義経静御前 の涙の別れなど様々な人間模様があるのですが、やっぱり刺青絵柄では勇ましい物が好まれる傾向にありますね。いつかの為に 静御前の白拍子 なんかも描いてはいるのですが、刺青の注文は今のところありません。

刺青芸術工房 龍元洞
刺青師・龍元

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