其の一からの続きです。
御由緒
文亀二年(1502)勧請
明治二十八年(1895)本殿・拝殿改築
御祭神 誉田別命(ほんだわけのみこと)
彫師 後藤一重(佐藤藤太郎)
御本殿
向拝
向拝柱には左右に二匹ずつの龍。蝦虹梁はあっさりとしています。
水引虹梁上には「応神天皇誕生」。ピントが甘くなってしまいました。
左面
縁下組物間琵琶板には唐子シリーズ、その下は波に亀。右端に蟹がいます。
胴羽目は「神武東征」。
「八咫烏に導かれる神武天皇」
〜追記(20.06.14) 神武天皇と思っていたのですが、実際に八咫烏に導かれるのは、神武東征の先鋒を務めた日臣命の様です。日臣命はこの功績により、道臣命と名乗ります。なので、これは「八咫烏に導かれる日臣命または道臣命」でした。追記終わり〜
三本の足が見えてませんが、この構図で鳥がいればこれは「八咫烏」だと思います。
これは何でしょうね。「伊奘諾と伊奘冉」かなぁ。中央に空間があるので、元々は何かあったのかも知れません、と言い訳をします。
背面
胴羽目は「天岩戸」。
独特なタッチの天宇受売命ですね。
右面
亀が沢山います。
胴羽目は「須佐之男命の八岐大蛇退治」。
珍しい事に本物の蛇です。
私も刺青修行を始めた頃は思ったものです。何故、大蛇なのに龍なのか。皆そう思いますよね。
以前、刺青図柄の意味 龍 や スサノオノミコト 「八岐大蛇退治」 でも考察しましたが、古事記では八俣遠呂智と書き、必ずしも蛇ではないという解釈があります。また、古来土着の蛇信仰などから、蛇と龍を同一視する考えもあります。
脇障子のこれは分かりません。反対側と対になっているのでしょうか。
彫り物満載の素晴らしい神社でした。
刺青師・龍元
122(2020.06.13)
コメント
こんにちは。
大曽根八幡神社の彫刻は素晴らしいですよね。龍元さんは拝殿の欄間彫刻の題材までだいぶ解明しているのですごいです。八岐大蛇は必ずしも蛇ではない、考えたこともありませんでした。私は「八岐大蛇」という表記と葦原中国で起きたことであるという二点から、本来は蛇であると思い込んでいました。
ところで脇障子の伊邪那岐と伊邪那美かなぁと書かれている彫刻の一番下の部分に鳥がいますね!私の画像では完全に高欄に隠れてしまっていて気付きませんでしたが(笑)鳥がいるということは、日本書紀に書かれているセキレイを見て〇ッチのやり方に気付いたという話ではないでしょうか?こちらには再訪してセキレイをしっかり確認してきたいと思います!三度目となりますが(笑)
鳥ですか。全く気が付きませんでした。ん〜確かに鳥の頭に見えない事もありませんね。もしこれが鳥なら、それで間違いなさそうですね。再訪された折には是非結果をお聞かせください。