登戸稲荷社

登戸稲荷社向拝周り 神社仏閣
登戸稲荷社向拝周り
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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先日、彫刻を観に神奈川県川崎市登戸の稲荷社を訪ねました。南向きの神社です。

由緒

御祭神
宇賀魂大神(ウガタマノオオカミ)
豊受大神(トヨウケノオオカミ)
嘉永六年(1853)再建

そこらの公園みたいな感じですね。

登戸稲荷社
登戸稲荷社
案内板

社殿

登戸稲荷社社殿
登戸稲荷社社殿

向拝周り

登戸稲荷社向拝周り
登戸稲荷社向拝周り

向拝虹梁上には龍が5匹。木鼻は獅子か獏が普通ですが、ここの木鼻は龍。しかも胴体が向拝の中程まであって、向拝と一体化しているので、龍が計7匹いる様に見えます。

木鼻の龍
木鼻の龍
木鼻の龍
木鼻の龍

脇障子

東側脇障子には、須佐之男命(スサノオノミコト)の八岐大蛇退治。刀を後ろ手に隠して左手には宝珠を持っている様に見えます。

八俣大蛇退治
八俣大蛇退治

西側脇障子は 大己貴命(オオナムチノミコト)の大鷲退治。大己貴命とは大国主命(オオクニヌシノミコト)の別名ですね。つまり大黒さまdeath。西側東側両方とも日本神話から。

大己貴命
大己貴命

裏側の銘を見ると彫工〇〇藤原正房と読めます。ネットで調べてみると 棟梁のブログ という宮大工さんのブログにありました。なんと、この2枚の脇障子は当時15歳の国蔵・藤原正房が腕試しに彫ったものらしいですね。1853年と言えばペリー来航の年です。数えで15って事ですかね。13、4歳か、う〜む。

国蔵・藤原正房
国蔵・藤原正房

拝殿扉

拝殿扉には獅子。長押の上には犀。

拝殿扉

長押上小壁

東面長押上には麒麟。その上には鷹ともう一つは何だろ?鴨かな?鶴には見えませんね。

東面長押上
東面長押上
西面長押上
長押上

稲荷なので

稲荷なのに狐の彫り物は無いんだなぁと思っていたのですが、ありました。須佐之男命の裏側。団子をくわえています

東側脇障子裏側
東側脇障子裏側

向拝桁のところにも小さいのが。

向拝桁

ここは拝殿の裏側の漆喰に鏝で描いた絵があって、そちらの方が有名の様ですが、彫刻も素晴らしかったですね。

刺青師・龍元

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