二代石原常八 [雷電神社総本宮] 群馬県

雷電神社総本宮御本殿背面 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年四月吉日、群馬県板倉町の雷電神社総本宮に参拝しました。

ここは3年くらい前にも来たのですが、それから2年近く経ってから記事にしようとしたら、他所の神社と写真がごっちゃになってしまったので、再訪しました。

雷電神社総本宮二の鳥居

由緒

千四百年前、聖徳太子によって創建される
文政二年(1819)現拝殿造営
天保六年(1835)現本殿造営
彫師 花輪住二代石原常八
本社 県指定文化財
御祭神
火雷大神ほのいかづちのおおかみ
大雷大神おおいかづちのおおかみ
別雷大神わけいかづちのおおかみ
菅原道眞公すがわらみちざねこう
南向き

御本殿

塀が目の覚める様な紅色に塗られています。

雷電神社総本宮御本殿

東面(右面)

胴羽目二枚と縁下には唐子シリーズから闘犬と凧揚げ。その下は犀です。

雷電神社総本宮御本殿東面

左側の胴羽目は彦火火出見命ひこほほでみのみこと。いわゆる山幸彦ですね。龍宮から帰る時には鰐鮫わにざめに乗ります。送りに来ているのは豊玉姫命とよたまひめのみこと。彩色が随分落ちてしまってますね。

彦火火出見命ひこほほでみのみこと

右側の胴羽目は牛若丸ですかね。右の人物は天狗らしくないですけど。

牛若丸

背面

胴羽目は二枚で干珠と満珠になってます。縁下は唐子のすなどりと喧嘩。

雷電神社総本宮御本殿背面

宝珠を持ってきた安曇磯良あずみのいそら

安曇磯良

宝珠を受け取る武内宿禰たけうちのすくね神功皇后じんぐうこうごう。千葉の下総野田愛宕神社 ではこの二枚の間になぜか玉巵弾琴ぎょくしだんきんが挟まっていました。ちなみに彫師は同じ石原常八。向こうは推定のようです。

武内宿禰と神功皇后

西面(左面)

こちらも胴羽目は二枚。縁下には唐子の重陽ちょうようと獅子舞。

雷電神社総本宮御本殿西面

左側は玉巵弾琴ぎょくしだんきん

玉巵弾琴

右側胴羽目は須佐之男命すさのおのみこと大蛇退治おろちたいじ

素戔嗚尊

御本殿正面の妻にはひっそりと唐獅子がいました。ここにこれがあるのは珍です。

唐獅子

奥宮

本社御本殿の後ろには奥宮がありました。

雷電神社奥宮

向拝水引虹梁上には蕭子しょうし弄玉ろうぎょく

左面にだけ胴羽目がありました。画題は養老の滝。

養老の滝

二代石原常八の見事な彫り物を堪能できました。

刺青師・龍元

099(2020.05.12)

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