下総野田愛宕神社 其の一

愛宕神社背面 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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恒例の新年寺社巡り。千葉県野田市の下総野田愛宕神社に参拝しました。

元禄七年(1694)建立、野田市で二番目に古い石造りの鳥居。

愛宕神社鳥居

かなり大きな社殿です。

愛宕神社社殿

由緒

延長元年(923)創建
文政七年(1824)社殿再建
御祭神 迦具土命(かぐつちのみこと)
彫師 石原常八主信といわれる
千葉県指定有形文化財
南向き

東面

東面胴羽目は二枚続きの天岩戸。

愛宕神社東面

左側胴羽目。天鈿女命(あめのうずめ)は群馬県榛東村 宿稲荷神社 の脇障子にほぼ同じ構図の彫り物があります。

東面左側胴羽目

右側。手力男命(たぢからおのみこと)が天照大神(あまてらすおおかみ)が隠れた岩戸をこじ開ける所。座っているのは猿田彦命(さるたひこのみこと)かな。長鳴鶏もいますね。

東面右側胴羽目

脇障子。私は宮彫り巡りの師に習って、猛禽類は全部鷹という事にしているのですが、案内板によるとこれは「雲と滝中の鷲」。

東側脇障子

背面

背面には胴羽目が三枚。両端が「三韓征伐・神功皇后 安曇磯良より宝珠を得る」で二枚続きの題材ですが、なぜか真ん中に「玉巵弾琴」が挟まっています。

愛宕神社背面

左側脇障子は裏面にも彫り物がありました。

背面左側脇障子

左側胴羽目。海の神・安曇磯良。

背面左側胴羽目

中央胴羽目には玉巵弾琴。案内板には「弾琴の弁天」となってたんですが、弁天様は普通琵琶を弾いてるよなぁ。東京の 自性院牛頭天王堂 の案内板でも琴を弾いてる構図で弁天様ってなってたけど、あれもこれも玉巵弾琴じゃないのかなぁ。

背面中央胴羽目

右側胴羽目は 神功皇后武内宿禰 宝珠を得るの場面。

背面右側胴羽目

右側脇障子。獅子の子落とし。

背面右側脇障子

西面

こちらも二枚続き。案内板によるとこれは「草薙剣で熊襲を払う大和武尊」。ムムム。。。熊襲征伐の時は違う剣ではなかったかなぁ。

本殿西面胴羽目
西面左側胴羽目

この人の首のひねり方は尋常ではありません。正に緊急事態。

西面右側胴羽目

脇障子は牡丹に孔雀。

西側脇障子

他にも面白い彫り物があったので、次回に分けます。

刺青師・龍元

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