[全透院地蔵堂 其の一] からの続きです
正面も凄かったんですが側面もすごい! 胴羽目や欄間 斗栱間や支輪や縁下に至るまで彫り物で埋め尽くされています 仏教寺院の堂宇でこれだけの質と量の彫り物は本当に珍しいです
窓には子引き龍
胴羽目は三国志演義の名場面「長坂の闘い」から趙雲救幼主 曹操軍との乱戦の中で見失っていた 劉備の妻・糜夫人に嫡子・阿斗を託されます(あろう事かピンボケ また近くに行った時に撮り直してきます)
「何の面目あってこのまま主君にまみえん?生命のある限りは。。。」
「若君のお身をつつがなく主君へお渡し奉るこそ大事中の大事」(吉川英治 三国志第五巻)
武州熊ヶ谷住 彫工棟梁 小林正信 と銘が彫ってありました
背面です
「つかぬ事を伺いますが…そんな真っ直ぐな針で一体何が釣れるのか…と」
「…あちらの方が尋ねておられます」
「わしが釣り上げようとしているのは魚ではない…そう! 天下ですのじゃ!」
「太公望と周文王の邂逅」
胴羽目は三枚あり これ↓も「太公望と周文王の邂逅」の説話の一部だと思うのですが 具体的な話は分かりません
君たちは何者かな?
左面に廻ります
胴羽目は三国志演義の名場面から 「劉備玄徳 的盧に乗って檀渓を跳ぶ」
乗る者に祟ると云われる的盧「汝 今日われに祟りをなすか またわれを救うや」(吉川英治 三国志第四巻)
こちらも窓には子引き龍
胴羽目の下には亀の彫り物
右側の亀は天地逆さまに取り付けられています こういうの結構見掛けます
欄間には獅子が彫られていました
斗栱間には鳥
縁下には応龍の彫り物がありました
本当にすごいぞ!地蔵堂 m(_ _)m
刺青師・龍元
136-02(2022.11.20)
コメント
onijiiです。
小林源太郎の父、小林源八正信ですね。
大作ですねえ。素晴らしいですねえ。
こちらは行くしかないですね。(笑)
錺さんに頂いた群馬県近世寺社調査報告書には「彫刻師は小林源太郎を輩出した熊谷の住人 小林鱗藏正信」となってました。父の事なのでしょうか?
こちらは御本堂にも素晴らしい欄間が沢山あるので、人が居れば是非見せて貰って下さい。