令和四年九月中旬 新潟県南魚沼市の穴地十二大明神に参拝しました
文久二年(1862)欄間彫刻製作
元治元年(1864)社殿再建
さすが雲蝶ですね 非常に細かいです
いつもの千社札の人もさすがです
右側の手挟みは松に鷹
その裏側には逃げ惑う雀です
左側の手挟みは竹に虎 竹を横向きに彫ってしまう所が雲蝶らしい
中備の裏には綺麗に銘が残されていました
新潟の神社には多いのですが ここは中へ入っても良い事になっています
平安末期 天皇の御所に黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り 物の怪の仕業と考えた側近たちは 頼政に怪物退治を命じた
頼政が矢を放つと 悲鳴と共に何かが落下した
そこをすかさず頼政の郎党の猪早太が取り押さえて「骨食」という短刀でとどめを刺したという
鵺とは ヒョーヒョーと不気味な声で鳴き 頭は猿 胴体は狸 手足は虎 尾は蛇 の怪物です
平家物語には 鵺という言葉は出て来ません
ただ不気味に鳴いていただけで殺されてしまう 可哀想なヤツなんです
源頼政 源頼光 を祖とする清和源氏の嫡流である摂津源氏の出身
以仁王に平氏追討の令旨を出させて 平家滅亡のきっかけを作った人
この人↓は誰?
鵺退治なので敵はいない筈
頼政の家来でしょうか
手にするのは 頼政の祖先の頼光が夢の中で得た と伝わる「雷上動」という弓
向かって右側の内外陣境欄間
画題は源頼光大江山の鬼退治から 洗濯女に出逢う場面と木渡りの場面
鬼退治の勅令を受けた頼光一行は山の中で 都から拐われて来たという洗濯女に出逢います
洗濯女から大江山の鬼・酒呑童子の根城を聞き出す頼光(多分)
兜巾には墨の下書きが残っています
みんな山伏姿なので誰が誰かを同定するのは困難ですが これは頼光四天王の筆頭の渡辺綱かも
いや 扇子でパタパタ偉そうにしているこの人が頼光か?
木渡りの場面では 坂田金時が木を引っこ抜いて川に橋を掛ける事になってますから 手を伸ばしている人が金時かな〜
行者が背負っている笈にも下書きが残っています
その下にも登ってくる行者姿の人物 頼光と四天王に藤原保昌を加えた六人体制ですね
入口の上には「春秋を読む関羽と周倉」の絵馬がありました
他に「須佐之男命八岐大蛇退治」や「高砂」の絵馬がありました
雲蝶の未完成の作品は新潟にいくつか残されていますが なぜ未完なのか分かっていないのは ここだけだそうです
名工と言われる人の製作途中の物が見られるなんて 彫刻をやる人にとっては物凄く勉強になる資料なんだろうな
粗削りの素晴らしい彫り物でした
刺青師・龍元
127(2022.11.04)
コメント
onijiiです。
鑿跡が堪りませんね。痺れます。
直ぐにでも見に行きたいです。(笑)
まさにマニア垂涎の神社ですね。冬場になると雪囲いがされてしまうそうですので、暖かい頃にどうぞ。雪囲いがされても中には入れそうな感じですが。。