令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第十八社目 千葉県東庄町の秋山神社に参拝しました。
神社の詳細は分かりませんでした。
鉄壁の防御。御本殿から玉垣へ庇が掛かっていて しかも妻の所まで板で塞がれています。
朝の8時過ぎという事もありますが やはり中はとても暗いです。
向拝の龍です。
なかなか濃い目の顔の龍です。
向拝柱や正面扉にも沢山の彫り物があり 小躍りしてしまいました。
左側向拝柱の登り龍。
右側向拝柱の下り龍。
扉には上から馬・応龍・羊・猪・犬・猿・鶏が彫られています。
脇板には菊慈童。菊の葉から滴る露を飲んで不老不死になりました。
右側の扉の彫り物は 上から鼠・応龍・欠損・牛・蛇・虎・兎。応龍を除いて 十二支だと思うので 欠損は龍でしょう。
脇板の玉巵弾琴。玉巵の奏でる琴の音に 龍が聴き惚れます。
まるで 18世紀ヨーロッパ貴婦人の ロココ調ドレスのスカートの中を覗いているみたい。
脇障子は 箒と熊手を持った老夫婦なので 高砂。お前百まで ワシャ九十九まで。。。
胴羽目は応神天皇誕生。
三韓征討から凱旋した神功皇后は 仲哀天皇の忘れ形見 応神天皇を出産します。
景行天皇から仁徳天皇まで 五代に渡り朝廷を支えて来た武内宿禰。文献によって280歳から360歳と 考えられない程の長寿の人です。
武内宿禰に抱かれる応神天皇。
上部に目をやると 何やら変な物がいました。
なんじゃこりゃぁ!だ!
と一瞬思いましたが どうやらこれは「なんじゃこりゃあ!」ではなく 人魚の様です。日本の人魚は化け物・妖怪です。
因みにこちら↓ は あきる野市雨武主神社の 「なんじゃこりゃぁ!」です。
背面に大きな彫り物はありません。
胴羽目は加藤清正の虎退治。
烏帽子型兜がトレードマークの清正。陣羽織には清正の紋章・蛇の目紋がしっかりと彫られています。
片鎌槍も清正のトレードマークですが 強調したかったのか 逆に握って 虎には柄を向けています。
胴羽目の上の彫刻。こちらは平凡に 波に兎。
脇障子は亀に乗った人物。釣竿と玉手箱を持っているので 浦島太郎でしょう。
何が不満なのか 仏頂面でご機嫌ナナメのご様子(木目のせいかも)。
髭面の怪しい男が かれこれ1時間以上 神社の廻りを彷徨いているゾ。。。
と思ったのか 氏子さんが様子を見に来ました。私が彫刻を褒めると「埃まみれですが。。。」と 安心したのか帰って行きました。
刺青師・龍元
018(2024.02.21)
コメント