令和五年 新年寺社彫刻巡礼の旅初日四社目 栃木県茂木町の馬門稲荷神社に参拝しました
御祭神 倉稲魂命 保食神
超広角レンズで撮ったので分かりにくいですが 独特な形の屋根です
正面鬼板の鬼面が参拝者を迎えます
小さめの角です
向拝は見事な彫り物で飾られていました
兎ノ毛通しは松鶴 唐破風下は麒麟です
向拝中備には龍です
持送りは応龍です
格好いいです
飛龍と呼ぶ事も有る様です
応龍と飛龍は違うものと云う研究も有る様です
側面上部にも彫り物がありました
蟇股には十二支の鼠と牛 その下には四神の青龍
その左には十二支の虎と兎 その下は板が打ち付けてあって隠れてしまってますが四神の朱雀でしょうか
拝殿正面上部の右側蟇股は十二支の龍と蛇
その下は唐獅子牡丹ですね
いよいよ拝殿一番の見どころ 扉上扁額の三条小鍛冶宗近です
京都三条に住む刀匠の宗近は勅命により御剣を打たねばなりませんが 腕の良い相槌が見付からず 進退窮まって稲荷明神に祈りました
すると少年がやって不思議な話を始めます 宗近が黙って聞いていると何故か少年は御剣の事を知っており 手伝うと言います
少年は稲荷神の化身なのでした
完成した御剣には「小狐丸」と銘が打たれ 無事に朝廷に献上されたと云う事です
真っ赤に燃える炭
銘が有ったので写真に収めましたが 見事にピンぼけ なんとか「立川芳○藤原朋綱」と読めます 立川流の人でしょうか?
それにしても彫師には藤原〇〇と云う人が多い気がしますね
例えば 布田薬王寺の長坂猪乃助藤原友雅 御荷鉾山不動尊の石川兼次郎藤原豊重 高萩駒形神社の後藤辨作藤原荿臭 有明山神社の山口権蔵藤原宗次 冠稲荷神社の飯田仙之助藤原義棟 など枚挙にいとまがありません
コレは本名?師から受け継ぐ屋号みたいな物?それとも受領名なのかな?
扁額の左の蟇股は十二支の馬と羊(山羊)
その下は唐獅子牡丹です
左面に廻り右側の蟇股 十二支の猿と鶏です
その下は四神の白虎だと思います
左側の蟇股は十二支の犬と猪です
その下は亀 普通四神の玄武は 蛇が巻き付くか尾が蛇になっている事が多いですが 単に耳の有る蓑亀で表される事も多い様です ここのは頭が龍っぽいです
[馬門稲荷神社 其のニ 御本殿] に続く
刺青師・龍元
004-01(2023.01.13)
コメント