令和五年六月上旬 栃木県栃木市の愛宕神社に参拝しました。
![愛宕神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3402-1.jpeg)
慶長十二年(1607)創建
御祭神 火結命
![愛宕神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3404-1.jpeg)
拝殿と御本殿覆屋を兼ねた社殿には側面に窓がありました。
![愛宕神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3405-1.jpeg)
が 窓は曇りガラス。中は全く見えません。
![愛宕神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3406-1.jpeg)
幸い 前は全面が格子だったので斜めから。
![愛宕神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2912-1.jpg)
脇障子は 西王母から盗んだ桃を持った東方朔と思われます。
![東方朔](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2939-1.jpg)
「支那の仙人 仙術を得て齢八百歳に及ぶといふので 古来目出度い画題として盛に描かれ 西王母と対幅となつているものなど殊に多い。」(金井紫雲著 東洋画題綜覧より抜粋)
![東方朔](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2938-1.jpg)
胴羽目はどなたでしょう。
![愛宕神社御本殿胴羽目](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2941-1.jpg)
童子が二人。一人は笙を吹いているのだと思われます。
![笙を吹く童子](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2941-2-1.jpg)
これで龍か鳳凰がいれば 笙を吹いて龍/鳳凰を呼ぶ 蕭史仙人だと思うのですが。
![蕭史?](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2942-1.jpg)
正面扉脇板には龍。議論のある所ですが 私は目線が上を向いていれば登り龍と教わりました。
![上り下りの龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2935-1.jpg)
木鼻の獏。
![獏](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2929-1.jpg)
向拝中備の龍。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2934-2-1.jpg)
兎ノ毛通しには菊の華。
![愛宕神社御本殿向拝](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2914-1.jpg)
よく手入れのされた御本殿です。
![愛宕神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3414-1.jpeg)
このお爺さんの様な龍は よく見ると上顎にはトゲ 下顎には毛が生えています。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2923-1.jpg)
扉脇の龍。
![上り下りの龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2927-1.jpg)
右面胴羽目には凛々しい男性。
![董奉](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2919-1.jpg)
虎がいるので これは董奉だと思います。
![虎](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2922-1.jpg)
「仙術を得てよく人の病を治す。癩病者を治し 又旱天に雨を降らせたりして徳を施こしてゐた。殊に面白いのは治療して銭を取らず 返礼には杏を植ゑしめたことである。」(金井紫雲著 東洋画題綜覧より抜粋)
![愛宕神社御本殿胴羽目](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2915-1.jpg)
脇障子は梅と鶴をこよなく愛する詩人の林和靖。
![林和靖](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2924-1.jpg)
「廬を西湖の孤山に結んで詩作に興じ一歩も湖外に出でず 客あれば童子をして鶴を放たしむるといふ。梅を愛し鶴を養ひ 悠々たる生涯は誠に道釈人物中の好画題である。」(金井紫雲著 東洋画題綜覧より抜粋)
![林和靖](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2926-1.jpg)
どの彫り物も彫りが深く 仙人の表情や髭や眉なども緻密に彫られています。
![愛宕神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_2907-1.jpg)
これだけの彫り物を 真横から後ろから 見られないのは残念です。
![愛宕神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/06/IMG_3408-1.jpeg)
素晴らしい御本殿でした。
刺青師・龍元
066(2023.06.13)
コメント
onijiiです。
いい顔つきしてますねえ。
素晴らしいです。
腕のいい彫り師ですね。
公開することがあるのなら、
ぜひ拝見したいと思います。
Onijiさん おはようございます。
この覆屋は、元々は側面背面ぐるりと格子だったのを、ガラス窓をつけて外側から波板張って改修した物みたいですね。
まあ、開口部は少ない方が保存や掃除の面で有利ですが、せめて素通しのガラス窓にして欲しかったですね。