令和五年七月上旬 栃木県さくら市の船魂神社に参拝しました。
![船魂神社鳥居](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4119-1.jpeg)
住宅地の中に鎮座していて 開発からギリギリ逃れているといった感じです。
![船魂神社](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4120-1.jpeg)
立派な御本殿です。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4121-1.jpeg)
向拝の龍。
![向拝の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3651-1.jpg)
持ち送りは菊の華。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3658-1.jpg)
脇障子。箒を持った人物といえば 風狂僧の拾得か高砂の媼です。
![拾得](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3650-1.jpg)
向拝柱には龍が巻き付いています。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3652-1.jpg)
通常 向拝柱の龍は内側を向いていますが ここのは互いにソッポ向いてます。ひょっとして付け間違えたか?まさかね。。。
![向拝柱の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3653-1.jpg)
右側脇障子は巻物を持った人物なので寒山。両側で寒山拾得でしょう。
![寒山](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3657-1.jpg)
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4132-1.jpeg)
覆屋の横窓は素通しガラスにアルミの格子。高さも丁度良く 鑑賞にはうってつけです。
![船魂神社御本殿覆屋](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4122-1.jpeg)
前から見て想像していた通りの 見事な御本殿です。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4125-1.jpeg)
海老虹梁は丸彫りの龍。
![海老虹梁の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4127-1.jpeg)
梁としての役目は殆ど無いだろうと思います。
![海老虹梁の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3681-1.jpg)
胴羽目は西王母。
![西王母](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3670-1.jpg)
艶やかにして麗しい天の女主人として 絶大な信仰を集めます。
![西王母](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3626-1.jpg)
孫悟空が食い荒らした事もある 不老不死の仙桃(蟠桃)を捧げ持つ従者。
![従者](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3625-1.jpg)
前漢の武帝が長生を願っていた際 三千年に一度咲くという仙桃七顆を与えたといいます。
![西王母](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3641-1.jpg)
背面は窓が無かったので 斜めからの鑑賞になります。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3669-2-1.jpg)
胴羽目は金銀財宝を積んだ宝船。
![宝船](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3669-1.jpg)
吉祥図柄としてはこれ以上は無い という位におめでたい図柄ですが 神社では案外見掛けません。
![宝船](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3667-1.jpg)
覚えている限りでは佐久市の飯綱神社で見た事があるだけです。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3666-1.jpg)
左面です。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4129-1.jpeg)
胴羽目。 鹿仙人は何人もいますが ポピュラーな寿老人という事にしておきます。
![寿老人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3662-1.jpg)
襟に残った僅かな彩色を見ると かつてはかなり精緻な彩色だった事がわかります。
![寿老人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3594-1.jpg)
彩色が剥がれて鑿痕が見えています。
![寿老人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3609-1.jpg)
一流の彫物師はヤスリを使わない。ヤスリを使うのは素人仕事 なんて聞いた事があります。
![船魂神社御本殿](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4128-1.jpeg)
先日 カナダから友人が遊びに来ていたので 帝釈天に連れて行って その話をしたら 「なんで?使った方が滑らかになるのに。。」と彫り物の前で不思議そうな顔をしていました。
ヤスリを使うと角が甘くなるとか表面が荒れるとか 色々言いますが まあ 分からない人には分からないですよね。
って私も「そんなもんかな」って思ってるだけです。
縁下には三面とも 火除けの犀が彫られていました。
![犀](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3614-1.jpg)
海老虹梁の龍。
![海老虹梁の龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3665-1.jpg)
この日はここで終了。時間的にはまだ行ける明るさでしたが 暑くて疲れてしまいました。最近の暑さは異常ですね。皆さんも熱中症には気を付けて。
刺青師・龍元
078(2023.07.28)
コメント
向拝柱の龍は、左右を間違えてしまった感じですね
普通の人なら分からないですね、
龍元さんが 普通の人 ではない と言っているわけではありません(笑)
多くの彫刻を見ているので、違い がすぐに分かっちゃうんですね
私はまだまださっぱりですが、作風から彫師を推定 できる目を持ちたいなぁと思っています。
錺さん おはようございます。
いえいえ、普通でない=ヘンタイは褒め言葉です。
多くの彫刻を見ているというより、職業柄、阿吽の位置や龍の目線が気になってしまうんですね。
作風から彫師を推定するのは本当に難しいですね。私は目の前にある彫り物に見惚れるだけです。