令和四年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第十七社目、福島県いわき市の御斎所山熊野神社に参拝しました。いわき市まで来ると雪は全くありません。
近隣には御斎所山の山頂に奥宮、登山が出来ない人のための遥拝所が御斎所峠に有るので、ここは里宮という事になるのでしょうか。
拝殿
拝殿向拝には立派な彫り物が有りました。
水引虹梁には獅子の彫り物。
子獅子が愛らしいです。
子獅子を追い立てる親獅子。
その上には龍です。
白河市の辺りで見て来た様な素朴な彫りではなく、かなり緻密な凝った彫りです。比較的新しいのかも知れません。
唐破風下からは梁を肩に担いだ力神さまが参拝者を見下ろしています。
ご苦労様です。
御本殿
胴羽目彫刻はありませんでした。
その代わり、向拝中備にはすごく緻密な彫り物がありました。
宝珠があるので龍宮から干珠と満珠を受け取る場面かと思いましたが、中央の人の頭には魚も龍も無いし、神功皇后の態度から考えて、三韓征伐の可能性が高いのではと思います。
木鼻の獅子も良く出来ていて、状態も良いです。
手挟みには唐獅子牡丹。この位置に獅子があるのは結構珍しいです。反対側は菊でした。
海老虹梁には龍です。
さて、この神社の真打は脇障子。須佐之男命の八岐大蛇退治です。
今まさに剣を振り下ろさんとする須佐之男命。
このオロチには尻尾がありません。
オロチの尻尾は左側の脇障子にありました。
オロチの尾と櫛名田比売。
海老虹梁の龍。
子引き龍です。
福島県では鳥や霊獣など素朴な彫り物が続いていたので、緻密な彫り物は嬉しかったですが、胴羽目彫刻が無いのは残念でした。
これだけの技術で胴羽目を彫れば、さぞかし見応えのある彫り物だっただろう、と思います。
刺青師・龍元
017(2022.02.02)
コメント
onijiiです。
八岐大蛇退治は凄い臨場感ですね!
クシナダヒメは街中で出会えそうな
ほどリアルな顔してますね!!
素晴らしいです!!!
力神情報ありがとうございます。
頭の花が可愛いです。(笑)
奇稲田姫はそこら辺に誰か似ている人がいそうな顔ですね。このリアルさから考えると、かなり新しい彫り物なのではないでしょうか?
力神の頭の花は気が付きませんでした。さすがですね。