船弁慶 肩額七分袖が始まりました!(と言っても去年の話です)
このお客さんとはもう10年来の付き合いで、背中の唐獅子牡丹と右肩の亡霊・知盛が仕上がっています。
知盛とは貴族化する平家の中にあって、最後の武将と謳われた平知盛の事。
清盛に「最愛の息子」と期待され、武将としての頭角を見せた知盛でしたが、源平合戦の末、最後には壇ノ浦に追い詰められて、幼い安徳帝と共に海に飛び込んで自害しました。
遺体が晒し物になったり、生きたまま浮かび上がって辱めを受けたりするのを避けるため、碇を体に結びつけて飛び込んだと言われています。
船弁慶のあらすじはこうです。
「平知盛は壇ノ浦で源氏に滅ぼされた後、亡霊となって海底を彷徨っていた。そこへ鎌倉を追われた義経・弁慶主従が船で通りかかる。
すると、にわかに海が荒れ、魑魅魍魎とともに知盛の亡霊が現れ、義経の船を沈めようと迫って来た。
「おのれ!まだ成仏せんか!」義経は大刀を抜いて立ち向う。
押し寄せる魑魅魍魎を切りつけようとする義経を抑えて、弁慶は数珠を繰って一心不乱に経文を唱えた。
迫り来る魑魅魍魎。
弁慶の懸命の祈りによって遂に怨霊は退散した」
と、まあこんな話です。
デザインはいつもの様に体の線に合わせて手書き。スジはマシンで、ボカシ(色含む)は手彫りの予定です。
不規則な仕事の関係で、なかなか定期的に通えないA君。それでもコツコツとここまで来ました。辛抱強く通ってください。
刺青師・龍元