令和二年二月吉日、時平神社に参拝しました。
向拝の龍です。
なんか人の顔みたいですね。
向かって右面。
鎧や刀の柄にまで模様が入っていて、かなり繊細な彫りです。
脇障子は鯉の滝登りです。
今回のお目当ての彫刻、「源為朝」は背面にありました。為朝 は頼朝・義経 兄弟の叔父で五人張りの強弓の使い手。
保元の乱で負けた側についていた為に、伊豆大島に流されますが、大暴れしてたちまち伊豆諸島を事実上支配します。遥か奄美大島や沖伊良部島にまで渡来の伝承があります。
下図は葛飾北斎画で、島の住人に五人張りの弓を引かせてみせている所。
近寄ってみるとこちらも髭や眉まで細かく表現されていました。ノミ跡の鋭さや木の感じからかなり新しいものと推察しますが、私は素人なのでいつ頃彫られたのかは判りません。これが雨晒しなんて。。。
向かって左面。
胴羽目は「源頼光の大江山の鬼退治」の木渡りの場面。これは山伏が5人なので藤原保昌の入っていないバージョン。古い彫り物では保昌の入っている計6人の物が多い気がしますね。
こちらの脇障子も鯉の滝登りです。
刺青彫師にはとってもシビれる神社でした。また来よう。
刺青師・龍元(2020.02.24)
コメント
背面胴羽目彫刻、の内容は『源頼朝』系というのですね、
持っているのは、弓か竿だと思っていましたが、
竿を持っている題名として知っていたのが『神宮皇后鮎釣り』でしたので
この題名は『神宮皇后鮎釣り』としていましたが、竿ではなく折れた弓ですね。
龍元さんは流石ですね!! 題名・内容の引き出しが豊富ですね!!
今後も勉強させて頂きます、ありがとうございました。
ありがとうございます。でも、錺さんにそう言われると恐縮してしまいます。仕事がら侍系は得意なだけです。児雷也・虎王丸などの妖術使い系も得意ですが、あいにく神社では見かけません。