令和五年九月下旬 新潟県加茂市の青海神社に参拝しました。
神亀三年(726)創建
御祭神 椎根津彦命 大国魂命 他
ここは大きな彫り物 胴羽目はありませんが 時間的な関係で寄ってみました。
向拝唐破風下には素晴らしい彫り物がありました。
唐破風下は鳳凰です。
手塚治虫の火の鳥っぽい感じです。
向拝中備の唐獅子。子獅子が親獅子の足に噛み付いています。
つぶらな瞳が可愛らしい獅子ですが 竹に合わせてあるのは非常に というか有り得ない位に珍です。もしこれを刺青でやったら 同業からは笑い者 お客さんからはクレームが来る事でしょう。
木鼻の象。
獅子鼻。通常 獅子が正面を睨み 象もしくは獏が横を向いている事が多いですが ここは獅子が横向きです。
裏には流造りの御本殿が三棟鎮座していますが 特に彫り物は無い様です。
幣殿の唐獅子。こちらは定番の牡丹が合わせてあります。
脇障子は水鳥。鴨でしょうか。
右側脇障子も鴨 もしかしたら雁かも。植物は杜若と思いましたが良く見ると違う様です。なかなか写実的な彫り物ですが 鳥や植物は判断が難しいです。
脇障子の裏には社務所から続く廊下があり 透かし彫りが施された板がありましたが 残念ながら破損している様です。内容は鶏っぽいです。
拝殿の梁の上の蟇股には十二支がありました。右端から まずは子年の鼠と大根です。
丑年の牛。柳に牛で何か意味があるのかと調べたら 柳蔭放牛という画題がある様です。
寅年の竹虎。
卯年の波兎。
前面の右端 辰年の龍。
巳年の蛇。
数合わせのためでしょう ここで亀がきます。
額を挟んで その隣は鶴。
午年の馬。目が良い感じです。花はやっぱり桜なのか?
未年の羊。と言っても山羊です。現代日本では羊は綿羊・ヒツジだけを指しますが 中国では主に山羊を指す言葉だったそうです。
左面です。一番左は申年の猿。猿といえば桃を連想しますが この猿が持っている実は柘榴の様に割れています。
酉年の鶏。鶏には菊を合わせるものなのでしょうか。これまでも見た事がある様な気はしますが 竹に合わせてある事が多い様な気がします。
戌年の犬。
最後は亥年の猪。中国では猪はブタの事なので 本来はブタです。
大きな彫り物が無いので少し物足りない感じはしますが 良い神社でした。
刺青師・龍元
098(2023.10.26)
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