令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第七社目 千葉県匝瑳市の八重垣神社に参拝しました。
弘仁二年(812)出雲の牛頭天王社を勧請 創建
御祭神 須佐之男命
兎の毛通の鳳凰。唐破風下には鼓が彫られています。
中備の龍。頭がやけに大きいです。
拝殿で特筆すべきなのは 向拝柱の龍の浮き彫りでしょう。
竹が括り付けてあるので 正面から見られないのが残念です。
右側の向拝柱です。
正面を向いている様な 横を向いている様な。。。
覆屋は比較的ガッチリと御本殿を護るタイプに見えます。
幸いにして 上部に明かり取りの窓があるので 胴羽目部分が明るくて 鑑賞しやすいです。
胴羽目上の龍が格好良いです。
全部で七点ある胴羽目は 蘭亭曲水の宴の続き物です。
滝の脇に座る文士の足元には硯と筆が見えます。
左の胴羽目には 橋を渡る二人の文士と童子。川面には盆に乗せた盃が見えます。
楽しそうに談笑しています。
脇障子は獅子の子落としです。
腰羽目?には亀の彫り物が二点。
背面に廻ります。 あいにくと背面には窓が無いので 胴羽目部分が暗いです。
腰羽目?には 唐獅子牡丹が三点。
暗かったので オートフォーカスが反応ぜず。手動フォーカスで 少しピントが甘くなってしまいました。ここへは4時頃に到着したので 夏の昼間なら もう少し明るいのかも知れません。
広げた巻物を前に座る文士と 墨を擦る童子。
曲水の宴というのは 小川に盃を流して 前を通り過ぎるまでに詩歌を詠じて 盃の酒を呑み また次へ盃を流すという遊びです。
川面に浮かぶ 盃を乗せた盆。 木目と相まって 本当に盆が水面に浮かんでいる様に見えます。
蘭亭曲水の宴というのは 中国晋代の穆帝の永和九年(353)三月 文雅の士41人が蘭亭に会して曲水の宴を催したというもの。
まったく 風雅な遊びですなぁ。
左面です。
向かって左側の胴羽目。
宴もたけなわと言った感じ。
おっと! 飲み過ぎはいけません。
右側の胴羽目。
細かいところまで 丁寧に彫られています。
胴羽目の上の龍。
脇障子は滝に打たれる獅子です。
この面にも腰羽目?には亀の彫り物が二点ありましたが この一点だけ海亀。
珍です。 覚えている限り 海亀の彫り物を直に見たのは初めてです。
素晴らしい彫り物を鑑賞する事ができました。
刺青師・龍元
007(2024.01.21)
コメント
飲み過ぎの 表現 流石ですねぇ~、かなり飲んだ感じですね!!
海亀は珍ですね!!昔の人って、海亀を見た事がある人って少なかったんだと思っています、今は水族館等で見る事は出来ますが、海亀を見た事が無い人は、海亀の足がヒレ?状になっている事は知らなかったのでは?と思っています。
錺さん おはよう御座います。
お褒め頂き、ありがとうございます。ここは暗くて、ズームするとシャッタースピードが1秒とかそれ以上だったので、ブレブレな写真が沢山撮れました。
海亀については、成る程ですね。虎が猫みたいなのと同じで、見た事無いから知らなかったって事なんですね。納得です。じゃあ、ここの彫り師は当時としては博学だったって事ですね。もしくは、比較的新しいのかも。