令和六年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第二十社目 千葉県香取市の光明院境内社の八幡宮に参拝しました。
ながらく不明だった画題を ご教示いただきましたので再掲致します。

神社の詳細は分かりません。

向拝の龍。


扉脇板の下り龍。頭が下にあるのが下り龍だ とか 頭が下にあっても目線が上を向いていれば昇り龍なんだ とか色々ありますが これは正真正銘の下り龍です。

こちらは昇り龍。

でも すれ違っちゃってんだよな〜。やっぱり見合ってないと しっくり来ません。

左側脇障子は 後に劉邦の軍師となり 漢の三傑に数えられる事になる 張良。

張良はある日 知らない老人に 沓を拾えと命じられ しぶしぶ拾います。

実はその老人は黄石公という隠者。 張良に太公望の兵法書を授けます。

が その前に揚げ足取りを連発して 張良を試します。
「あげよっかな どうしよっかな〜」


雨ざらしなので だいぶ傷んでしまってます。


胴羽目は唐子と布袋尊。


何を指差しているのか分かりませんが この表情。。。良いです。


さて こちらはどなたでしょう?

髪の毛を生やしてはいますが 袈裟を纏っているので僧侶なのでしょう。ここのお寺は真言宗智山派なので ひょっとしたら開祖の空海かも知れません。

こちらの童子も何かを指差しています。

もうお手上げです。

追記(2024.10.07)これは傅大士と従者の童子 普建と普成です。
とあるお方にご教示頂きました。

傅大士は 中国梁時代 (5世紀) の時代に 輪蔵を発明した人らしいです。
輪蔵とは 中にお経が納められていて これを一回転させると 中のお経を全て唱えた事になるという ズルをする為の道具です。皆さんも一度は回した事があるのでは無いでしょうか?

こちらの胴羽目も。。。どなた?

背中には笈を背負っているので 旅の僧侶でしょう。 近所に住んでる車の修理工のオジサンに似ています。

月が出てます。

追記(2024.10.07)こちらは皆さん良くご存知 西遊記で有名な三蔵法師です。
とあるお方にご教示頂きました。

実は三蔵法師というのは一般名詞で 仏教の経蔵・律蔵・論蔵の三蔵に精通した僧侶(法師)の事。
この人は 俗名が陳褘 諡が大遍覚 戒名が玄奘なので 一般的には 玄奘三蔵と呼ばれるそうです。


仏教関係はお手上げでしたが どれも表情豊かで味のある 素晴らしい彫り物でした。
刺青師・龍元
020(2024.02.25)
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