令和三年八月、埼玉県寄居町の末野神社に参拝しました。

創建年不詳
御祭神 豊宇気昆売命 建御名方命 宇迦之御魂命 他

向拝の彫り物が見事です。

兎の毛通しには鳳凰。

唐破風下には董奉。病気を治すがお金を取らず、建安の三名医の一人に数えられます。

中備には天仙配。二十四孝の一人に数えられる孝行息子の董永が、父の葬儀費用のために身売りをしました。それを見ていた玉皇大帝から七仙女が遣わされて妻となり、絹を織って借金を返済します。二人は愛し合いますが、天上界では人間との結婚は許されません。感動のお別れの場面。

「あなた。。。私、行っちゃうわよ。。。本当にいいの?」後ろ髪を引かれる様な表情には色気すら感じられます。

織姫の心を知ってか知らずか、ひたすら拝謝のポーズの董永。おい、本当にそれで良いのか!

それにしても、地紋彫りがこれでもかと凄い事になってます。

木鼻は獅子。

非常に躍動感があります。

さぞかし名のある彫師の作でしょう。

獅子の裏側に回って見ると、海老虹梁の付け根と持ち送りの、まるで塊の様な波が凄いです。

手挟みには霊獣・麒麟。

手挟みの下の組物には鳳凰頭が前後に付いています。

海老虹梁は子引き龍。

大きめの向拝なので、海老虹梁も長め。

建築部材としての強度は二の次って感じですね。

左右ともに子引き龍です。

寄進者の名前を記した額にも龍の彫り物がありました。

海老虹梁の龍と似ている気がします。

虎。

額には「昭和五十三年」「神殿改修記念」とあります。彫り物は流用の様に思いますが、本当の所は判りません。

御本殿には彫り物は特に無い様でした。

拝殿に比べると御本殿が小さくて貧弱に感じました。

胴羽目彫刻はありませんが、一見の価値は十分にあると思います。
刺青師・龍元
110(2021.09.14)
コメント
onijiiです。
素晴らしい彫刻ですね!
地紋彫りも多様。手間かけてます!!
行きたい神社リストに追加しました!!!
セリフ冴えてますね。流石でございます。(笑)
ここら辺は良い神社が多いですからオススメです。
拝殿が大きめ(と言っても神社業界全体からすれば中の小くらいかも)
なので、双眼鏡・単眼鏡の類いを持っていくと良いですね。
非常に繊細な彫りです。
お褒めいただき恐縮です ʅ(◞‿◟)ʃ