龍と鯉と猿と鷹と亀 [神明宮] 栃木県

鯉の滝登り 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和六年二月中旬 栃木県足利市の神明宮に参拝しました。

神明宮鳥居

弘治二年(1556)創立
御祭神 大日孁命おおひるめのみこと 豊受姫命とようけひめのみこと

神明宮

拝殿向拝には古い彫り物があります。

神明宮拝殿向拝

向拝中備には龍。

唐破風下彫刻

元は彩色されていた様ですが 今はすっかり剥落して 微かに白い胡粉だけが残っています。

向拝の龍

唐破風下のこの彫り物は 菊と筆と硯があるので 菊慈童だと思います。

菊慈童?

が 文机と筆立てが一緒にあるのは 珍しいです(多分)。

菊慈童?

中を覗いてみましたが 御本殿向拝全体の写真は撮り忘れました。

左側脇障子は欠損。正面扉脇板は鯉の滝登り。

鯉の滝登り

木鼻は象と獅子です。象は鼻が欠損。

木鼻

向拝の龍。

向拝の龍

右側脇障子は梅の花。

脇障子

御本殿覆屋には窓があります。

御本殿覆屋

これは。。。格子とガラス窓だけなら まだ良いのですが 更に細目金網。。。これでは 窓ガラスの外側面を 氏子さん達ですら拭く事ができません。。。

御本殿覆屋

なので 窓は磨りガラス状態。せめて窓にレンズを密着させる事が出来れば良いのですが 金網があるのでそれもできません。

神明宮御本殿

胴羽目は鯉仙人の琴高。御本殿も元々は彩色だった様です。

鯉仙人琴高

琴高は琴の名手でしたが ある日 龍子を捕まえて来ると言い残して水中に消え 約束の日に鯉に乗って戻って来た といいます。

琴高

背面です。

神明宮御本殿

胴羽目は猛禽捕猿。

猛禽捕猿

パッと見 何が何だか分かりずらいですが 拡大して見ると猿がいます。

猿

猿を狙う鷹 もしくは鷲。

鷹

脇障子は梅に鳥。梅に鳥と言えば 鶯が定番ですが この鳥は鶯にしては大きいです。鳩でもなさそうだし。。。 鳥は難しいですね。

鳥

左面です。

神明宮御本殿

胴羽目は亀仙人の黄安。

亀仙人黄安

非常に長寿の仙人で 三千年に一回出すという亀の頭を 黄安は五回見たと云います。

黄安

こちらは光量があったので 比較的鮮明な写真が撮れました。

霊亀

腰羽目には唐獅子牡丹がありました。

唐獅子牡丹

右面背面にも獅子の腰羽目がありましたが 光量不足と窓の汚れで 綺麗に撮れませんでした。

網さえ無ければ。。。

刺青師・龍元

041(2024.04.30)

コメント

  1. onijiiです より:

    onijiiです。
    三重苦なんですよね。
    胴羽目があるのはわかりましたが、
    直ぐに退散しました。
    これほどの悪条件でも写真を撮れる
    とは・・・。尊敬します。(笑)

    • Onijiさん こんにちは
      有る事が分かるのに撮れないというのは もどかしい物ですよね。
      色々試しているウチにそこそこ撮れる様になって来ました。

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