小川八幡神社拝殿と境内社 からの続き
拝殿の脇にはもう一つ鳥居があって、それをくぐると本殿があります。

嬉しい事に塀が低くて本殿は少し高い位置にあるので、彫り物を十分に堪能する事ができます。

由緒
御祭神
天忍日命(おしほみみのみこと)
他七柱 他七柱については諸説あり
本殿天保四年(1833)再建
彫師 上州花輪 石原常八主信
本殿西面

階段下の羽目板。見づらいですが木階脇羽目には栗鼠。

右にずれてみると、龍頭と鯉の彫り物があります。波の感じが素晴らしいですね。平面の刺青と立体の彫り物では表現方法の違うところも多いのですが、これからはこんな感じの波を意識してみようかな。

さらに右へ行って腰羽目。バックギャモンをしている唐子です。

その上の胴羽目は「三顧の礼」。

私は「三顧の礼」という言葉自体は昔「美味しんぼ」という漫画で知りましたが「三国志」は読んだ事はありません。なので、まあこんな感じの場面があるのだろうと何となく思っていたのですが、ググってみると国芳や芳年なんかも同じ構図で描いているのですね。



西側の脇障子は玉巵弾琴。

本殿背面

右側の脇障子はこれまた、玉巵弾琴。裏側のほぼそっくり裏返しです。

胴羽目。本によるとこれは劉備・関羽・張飛。

左側脇障子。梅らしき花が咲いているし、鳥はクチバシが無いですが鶴に見えるのでこれは林和靖でしょう。

腰羽目には唐子遊び。

本殿東面

こちらの脇障子も裏表反転でそっくり裏返しです。こちら側の鶴も嘴がありません。元々無いのか、両方とも欠けてしまったのか。

上部の組物。

胴羽目は、これも三国志からとは思うんですけど、どういった場面かは知りません。案外、他の二枚と全然関係無かったりする事も良くあるからな〜。

腰羽目にはこちらも唐子。

その横に龍頭と鯉。

栗鼠。真ん中は鴨かな?あひるは飛ばないし。もしかしたら雁かも。雁の方が風流な感じがしますね。その下は犀。火除けの意味があるそうです。

彫り物満載の神社でした。
刺青師・龍元
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