令和二年二月吉日、埼玉県上尾市の向山不動堂に参拝しました。
縁起
明治十年(1877)近在の人々の寄付により建立
本尊 不動明王
彫師 武州大谷本郷住 山田弥吉こと山田浅右衛門
東向き
これでもかと彫り物で飾られています。
唐破風の裏には瑞雲が彫られています。
扉には鳳凰、小脇板には錦鶏でしょうか。
木鼻の龍も大迫力。
右面胴羽目はありません。案内板には彫刻は三面となっているし、上尾市のサイトにも「北面に彫刻がない理由は不明」となっているので、元々無いのか、かなり昔から無いのでしょう。
参詣した時には気づかなかったのですが、写真を見ると向拝の天井部分には絵が描いてあります。どうやら龍の様ですが、よく見えません。近くを通った時にまた寄ってみます。
胴羽目
南面胴羽目は十六羅漢のうちの五尊。
真ん中で虎を従えているのは多分、迦理迦尊者(きやりきやそんじや)です。
背面胴羽目には六尊。
中央に立って龍を呼び出しているのは多分、伐闍羅弗多羅尊者(ばじやらほつたらそんじや)。
二面とも真ん中には主役級の特徴的な羅漢様がいましたが、右面には誰が彫ってあったのか、もしくは彫る予定だったのか、興味が尽きません。あと私が分かるのは鬼を連れている迦諾跋釐惰闍尊者(きやだばりだじやそんじや)と自分の腹を裂いて内の仏を見せている仏陀の実子の羅睺羅尊者(らごらそんじゃ)だけですが。
上部の梁や彫刻の至る所に名前が彫ってありました。寄付で建てられたとの事なので、その時の寄進者の名前なのでしょう。
羅漢と言えば狩野一信画の増上寺五百羅漢を思い出しますが、ここの十六羅漢もそれに負けない素晴らしい出来栄えだと思います。
刺青師・龍元
033(2020.03.05)
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