令和五年九月上旬 何処かの神社に参拝しました。
ここのお目当ては境内社。社号不明です。
この日は雨降りだったので 覆屋内は非常に暗いです。
唐破風下の龍。
向拝中備の龍も見事。
立派な御本殿です。なんと 腰羽目が胴羽目と同じ位の大きさ!
胴羽目は「応神天皇誕生」。彫りが深く 素晴らしい造形です。
誉田別命を抱くおじいちゃん顔の 武内宿禰 がなんとも言えません。
神功皇后です。
脇障子は宝鑰を咥えた狐。浜床下も狐だったので ここは稲荷神社なのかなと思いますが はっきりした事は分かりません。
腰羽目は「黄石公と張良」です。大きさもさる事ながら 内容についても胴羽目に負けない充実した物となっています。
「試練に耐えたお前は見どころがある 太公望の兵法書をやろう」
拝謝して兵法書を受け取る張良。のちに劉邦の軍師になります。
腰羽目と浜床の間(この部分の名称が分かりません)には鯉の滝降り。
海老虹梁には可愛らしい亀の彫り物。
背面はさらにスゴい!
「須佐之男命八岐大蛇退治」。彫師などの情報は全くありませんが 超一流の工匠の作品である事は間違いなし。
スサノオが
「お前たちはなぜ泣いているのか」
と尋ねると老夫は
「私の娘は八人いましたが、身一つに頭が八つ 尾が八つあるヤマタノオロチが毎年一人ずつ食べ 今日は最後の娘が食べられてしまうのです」
と答えた。
背面にも胴羽目に負けない内容・大きさの腰羽目があります。
「司馬温公甕割」。水が満たされた瓶に落ちた友を助けるため 石で躊躇なく高価な瓶を叩き割った司馬光の少年時代の逸話です。「温公 之を見て直に石を取り甕を割り 水を出して児を救ひ 器は軽し人命は重しといいたり」(『画題辞典』斎藤隆三)
左面です。
胴羽目は「牛若丸兵法書を授かる」。
「牛若丸は源義経の小名なり 日夜山に入りて武技を習ふ 世に僧正坊なる天狗に導かれて武技を励み、兵法を授かると伝ふ」(『画題辞典』斎藤隆三)
神妙な面持ちの牛若丸。その後ろには烏天狗がいます。
腰羽目は「韓信の股くぐり」。
「あるとき気のあらい肉屋が韓信をからかって『その長剣でおれを刺してみろ、刺せなきゃおれの股をくぐれ」と衆人の前でおどしあげた。
このとき韓信はおとなしく這って股をくぐった。
市中のひとびとは韓信を臆病者だといって蔑んだが、後年、韓信が名将の名をほしいままにしてから、ひとびとはこれをかれの大勇の証拠だというふうに美談にした〜 」(『項羽と劉邦』司馬遼太郎)
浜床と腰羽目の間。鯉の滝登りです。
脇障子は狐の親子。
素晴らしい御本殿でした。
鳥居前には車数台おけるスペースがありますが 私は少し手前の神社専用の駐車場に停めました。
「発砲注意」って。。。「熊注意」は熊が出るから注意しろ 「落石注意」は石が落ちて来るから注意しろって事だから「発砲注意」は発砲があるから注意しろって事なのか。。。
ライフルの弾は2〜3km飛ぶから 水平より上に向けて撃っちゃいけないらしいけど 毎年流れ弾や誤射で死ぬ人がいるらしい。。。
熊も怖いが 発砲はもっと怖いっす。
刺青師・龍元
093(2023.09.29)
コメント
こちらの神社、以前はGoogleMapに記載がりましたが、今は削除されちゃっていますよね?
おはよう御座います 錺さん、
ああ これは削除されちゃってんですね。私はグーグルマップにピンを置いていますが、この神社、今は名前だけで内容は何も表示されません。バグだと思っていました。
龍元さん、こんにちは。
雨の日の参拝、お疲れ様でした。
雨でも行ってしまうとは相変わらず重症のようですね(笑)
こちらの神社は本当に素晴らしくて感動もんですよね!
題材が有名なものばかりというのも嬉しいところでした。
背面のオロチだけ明らかに作風が違うと感じたのですが、
これだけ少し新しそうにも見えるので不思議に思いました。
ところでこちらの神社、横瀬町の宇根八坂神社と構成が似ていると思いませんか?あちらは弘化三年の建立らしいですが、おそらく関わった方々が同じなのではないかと思っています。
Shin-Zさん こんにちは
そうなんですか。実はこの後寄ろうと思っていたのですが、疲れていたのでパスして猿田彦神社に参拝して帰りました。
今猿田彦神社について書いていますが、猿田彦神社の牛若丸と天狗の彫り物もそっくりですね。