令和七年一月中旬 茨城県小美玉市の貴船神社に参拝しました。

御祭神 高龗神

御本殿には屋根が架けられ 玉垣が巡らされています。

御本殿。組み物などは殆ど無く 縁下も非常に簡易な造りです。

しかし彫り物は一級品。

巻き毛の龍です。

笠間の名工・後藤縫殿之助の龍です。

後藤縫殿之助(縫之助)は千葉県北部から茨城県にかけて 数々の作品を残しています。

ここへ来る途中で 畑仕事をしている人に道を尋ねたら「縫之助を見に来たのかい オレの爺さんが連れて来たんだよ!」と自慢気でした。

本当かどうかはともかく この辺りでこの神社が大事にされているという事は伝わって来ました。

背面胴羽目は応龍。

一本角です。

飛龍ともいいます。

こちらはトゲトゲ。

「花紋賞牌◯受 笠間町彫刻師 後藤縫殿之助」と銘がありました。

鮮明な銘の写真は うっかり撮り忘れました。

左面に廻ります。

眼光鋭く獲物を狙う様な龍です。

足は4本の筈ですが 見えている足は3本。私も龍を彫る時には4本は避けて 常に3本にしています。

刺青を入れる人はゲンを担ぐ人が多く 4が嫌われる数字だからです。

寺社彫刻ではどうなんでしょう? 3本足の龍が多い気がしますが ここの右面胴羽目の龍は2本足でしたから 縫之助はただ単にデザインとして 2本にしたり3本にしたりしていたのかも知れません。

脇障子は龍。左右で龍虎になっています。

縫之助の素晴らしい彫り物を堪能できました。

刺青師・龍元
013(2025.02.15)
コメント
onijiiです。
先日再訪したばかりです。
龍の違いは全く分からないのですが、
どういう訳かこちらの龍は凄いなあと
感じます。(笑)
縫之助の彫り物は微妙にデッサンが狂っている所が味わい深いですね。