令和五年九月中旬 新潟県胎内市の大輪寺に参詣しました。
貞和二年(1346)開創
天保八年(1838)火災により古記録等を紛失
文久三年(1863)山門建立
明治元年(1868)戊辰の戦火により本堂・庫裏消失
明治十六年︎(1883)本堂建立
お目当てはこの山門・鐘楼堂です。
文久三年(1863)の建立です。
見事な龍が二匹
波しぶきをあげています。
縁下四隅には四天王の力神。
どれが誰なのかは分かりません。
門の反対側には迫力の一匹龍。
二階の軒下組物間には 二十四孝に取材した彫り物がありました。
まずは総門側の左端から
父親や継母・兄弟に虐待されながらも
孝行を尽くしたので
象や小鳥が畑仕事を手伝ってくれた
という 大舜。
「神様 ご褒美がショボ過ぎます!僕にも金塊を授けてください!」
とは 言わなかったので
彼は後に皇帝になりました。
次は 嫁の乳にむしゃぶりつく姑
が主題ではなく
歯の無い姑に乳を与える唐夫人が偉いでしょ
という話。
正直ドン引きです。
その隣は 母を養うために口減らしに
赤子を埋めようとしたら 金塊発見で
大喜びの郭巨。
釜は量の単位 二十四孝に会いに行く!によると
1釜は約12〜20リットル。
今は金が高騰しているので
2〜30億円くらいにはなってんじゃないかな。
神様 ご褒美あげ過ぎです。
その次は
筍好きの母のため
ある筈のない雪山で
泣きながら筍を探す孟宗。
流通や保存方法の発達した現代社会に生きる
僕は今のこの環境に感謝いたします。
総門から見て 右面に移ります。
左端は 雷が鳴るたびに
雷嫌いだった母の墓に飛んで行ったという
王裒。
儒教においては 死後の孝行も大切な徳目だそうです。
でも ♬私のお墓の前で泣かないでください〜私はそこにいません〜🎵
少年(少女?)が果物らしき物を持っているので
母に食べさせようと オヤツに出された蜜柑を
黙って持ち帰ろうとして咎められる 陸績でしょうか?
でも あまり蜜柑っぽくありませんね
この不敵な笑みと考え合わせると もしかしたら違うのかも。
その隣は郯子。
眼病を患った両親のための
薬に必要な鹿の乳を搾ろうと
鹿の皮を被っていて
猟師に撃たれそうになります。
平民なら
そんな孝行譚もあるのかなと思うけど
この人 君主の息子 つまり王子様ですよね。
自分でやる?
確かに自分でやるのが親孝行なんですけどね。
門の反対側 つまり御本堂側に移ります。
家が貧しく 蚊帳を買う金も無かったので
8歳の呉猛は
自分の着物を親に着せ 自分は裸になって蚊に刺された。
って この彫刻の構図はよく見かけるんですけど。。。
どう見ても ぐうたら親父が子供を奴隷扱いしている様な。。。
「おい!今日は暑いから オレが寝付くまで あおいでろ!」
その隣は
突然現れた虎の前に立ちはだかり
父を守ろうとする 我らが楊香。
お父さんは娘を置いて とっくにトンズラです。
その隣は庾黔婁
父の便を取って舐め
その甘く滑らかな味に父の死を悟り
北斗七星(北極星)に
身代わりになることを祈り続けた。
庾黔婁の首はどうなっているのか 気になりますが
それより 背後にある髑髏っぽい物の方が
気になります。
その隣は
母のために 桑の実を熟していない物と熟した物に分けて
盗賊を感動させた 蔡順だと思います。
盗賊は蔡順に米と牛の足を置いて行ったそうですが
盗賊にしては 少しお人好しが過ぎますね。
後で頭目に怒られると思います。
総門から見て左面。
五十過ぎて 職も妻子も捨てて
血でお経を書いて 天に祈って
子供の頃に生き別れた母に会うことができた
朱寿昌 かなと思います。
確信はありません。
真冬に生魚が食べたいという継母のために
凍った川へ行き 裸で伏していると
氷が溶けて
魚が二匹出てきたという 王祥。
王祥が伏した所には毎年
人が伏せた形の氷が出るという
この話。
僕は怪談だと思いますが
いかがでしょう?
う〜む これは分かりません。
ご老人が二人です。
二人とも髭を生やしているので
男性だと思います。
ちょっと 思い当たりません。確信が持てない物もありましたが 一応ここまで二十四孝で矛盾の無い物ばかりだったので これも二十四孝の一つだと思うのですが。。。
二十四孝でここに無かった物は 田真兄弟・黄香・張孝兄弟・丁蘭・姜詩・董永・漢文帝・黄庭堅・曹参・老萊子・江革・仲由。 この中にあるのかな?
経蔵にも良い彫り物が有りました。
向拝中備の龍
なかなか精悍な顔付きです。
海老虹梁には葡萄に栗鼠の彫り物がありました。
これは後付けっぽいですね。
刺青師・龍元
101(2023.11.03)
コメント
onijiiです。
遠い所、お疲れ様です。
立位の力神は四天王だったのですね。
鮮明な写真をありがとうございます。
素晴らしいですね!
山野神社の力神と合わせて、見学に
行きたいと思っています。
仕事の関係で、残念ながら寺社巡りは
オアズケ状態。来春には行きたいなあ。
onijiiさん こんばんは
力神は大輪寺のサイトによると四天王となっていますね。何を根拠にこれが四天王なのかは私には分かりません。
雪深い地方には個性的な力神が多いですね。