令和五年九月中旬 新潟県胎内市の大輪寺に参詣しました。
![大輪寺総門](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5524-1.jpeg)
貞和二年(1346)開創
天保八年(1838)火災により古記録等を紛失
文久三年(1863)山門建立
明治元年(1868)戊辰の戦火により本堂・庫裏消失
明治十六年︎(1883)本堂建立
お目当てはこの山門・鐘楼堂です。
![大輪寺山門・鐘楼堂](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5527-1.jpeg)
文久三年(1863)の建立です。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5528-1.jpeg)
見事な龍が二匹
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5397-1.jpg)
波しぶきをあげています。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5398-1.jpg)
縁下四隅には四天王の力神。
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5394-1.jpg)
どれが誰なのかは分かりません。
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5391-1.jpg)
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5396-1.jpg)
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5404-1.jpg)
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5413-1.jpg)
門の反対側には迫力の一匹龍。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5411-1.jpg)
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5414-1.jpg)
![四天王](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5428-1.jpg)
二階の軒下組物間には 二十四孝に取材した彫り物がありました。
まずは総門側の左端から
父親や継母・兄弟に虐待されながらも
孝行を尽くしたので
象や小鳥が畑仕事を手伝ってくれた
という 大舜。
![二十四孝 大舜](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5445-1.jpg)
「神様 ご褒美がショボ過ぎます!僕にも金塊を授けてください!」
とは 言わなかったので
彼は後に皇帝になりました。
次は 嫁の乳にむしゃぶりつく姑
が主題ではなく
歯の無い姑に乳を与える唐夫人が偉いでしょ
という話。
![二十四孝 唐夫人](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5441-1.jpg)
正直ドン引きです。
その隣は 母を養うために口減らしに
赤子を埋めようとしたら 金塊発見で
大喜びの郭巨。
![二十四孝 郭巨](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5442-1.jpg)
釜は量の単位 二十四孝に会いに行く!によると
1釜は約12〜20リットル。
今は金が高騰しているので
2〜30億円くらいにはなってんじゃないかな。
神様 ご褒美あげ過ぎです。
その次は
筍好きの母のため
ある筈のない雪山で
泣きながら筍を探す孟宗。
![二十四孝 孟宗](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5443-1.jpg)
流通や保存方法の発達した現代社会に生きる
僕は今のこの環境に感謝いたします。
総門から見て 右面に移ります。
左端は 雷が鳴るたびに
雷嫌いだった母の墓に飛んで行ったという
王裒。
![二十四孝 王裒](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5447-1.jpg)
儒教においては 死後の孝行も大切な徳目だそうです。
でも ♬私のお墓の前で泣かないでください〜私はそこにいません〜🎵
少年(少女?)が果物らしき物を持っているので
母に食べさせようと オヤツに出された蜜柑を
黙って持ち帰ろうとして咎められる 陸績でしょうか?
![二十四孝 陸績?](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5448-1.jpg)
でも あまり蜜柑っぽくありませんね
![](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5468-1.jpg)
この不敵な笑みと考え合わせると もしかしたら違うのかも。
その隣は郯子。
眼病を患った両親のための
薬に必要な鹿の乳を搾ろうと
鹿の皮を被っていて
猟師に撃たれそうになります。
![二十四孝 郯子](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5449-1.jpg)
平民なら
そんな孝行譚もあるのかなと思うけど
この人 君主の息子 つまり王子様ですよね。
自分でやる?
確かに自分でやるのが親孝行なんですけどね。
門の反対側 つまり御本堂側に移ります。
家が貧しく 蚊帳を買う金も無かったので
8歳の呉猛は
自分の着物を親に着せ 自分は裸になって蚊に刺された。
![二十四孝 呉猛](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5450-1.jpg)
って この彫刻の構図はよく見かけるんですけど。。。
どう見ても ぐうたら親父が子供を奴隷扱いしている様な。。。
「おい!今日は暑いから オレが寝付くまで あおいでろ!」
その隣は
突然現れた虎の前に立ちはだかり
父を守ろうとする 我らが楊香。
![二十四孝 楊香](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5452-1.jpg)
お父さんは娘を置いて とっくにトンズラです。
その隣は庾黔婁
父の便を取って舐め
その甘く滑らかな味に父の死を悟り
北斗七星(北極星)に
身代わりになることを祈り続けた。
![二十四孝 庾黔婁](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5455-1.jpg)
庾黔婁の首はどうなっているのか 気になりますが
それより 背後にある髑髏っぽい物の方が
気になります。
その隣は
母のために 桑の実を熟していない物と熟した物に分けて
盗賊を感動させた 蔡順だと思います。
![二十四孝 蔡順](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5456-1.jpg)
盗賊は蔡順に米と牛の足を置いて行ったそうですが
盗賊にしては 少しお人好しが過ぎますね。
後で頭目に怒られると思います。
総門から見て左面。
五十過ぎて 職も妻子も捨てて
血でお経を書いて 天に祈って
子供の頃に生き別れた母に会うことができた
朱寿昌 かなと思います。
![二十四孝 朱寿昌?](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5457-1.jpg)
確信はありません。
真冬に生魚が食べたいという継母のために
凍った川へ行き 裸で伏していると
氷が溶けて
魚が二匹出てきたという 王祥。
![二十四孝 王祥](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5483-1.jpg)
王祥が伏した所には毎年
人が伏せた形の氷が出るという
この話。
僕は怪談だと思いますが
いかがでしょう?
う〜む これは分かりません。
![二十四孝](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5460-1.jpg)
ご老人が二人です。
二人とも髭を生やしているので
男性だと思います。
ちょっと 思い当たりません。確信が持てない物もありましたが 一応ここまで二十四孝で矛盾の無い物ばかりだったので これも二十四孝の一つだと思うのですが。。。
二十四孝でここに無かった物は 田真兄弟・黄香・張孝兄弟・丁蘭・姜詩・董永・漢文帝・黄庭堅・曹参・老萊子・江革・仲由。 この中にあるのかな?
経蔵にも良い彫り物が有りました。
![経蔵](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5536-1.jpeg)
向拝中備の龍
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5487-1.jpg)
なかなか精悍な顔付きです。
![龍](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5490-1.jpg)
海老虹梁には葡萄に栗鼠の彫り物がありました。
![葡萄に栗鼠](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5495-1.jpg)
これは後付けっぽいですね。
![葡萄に栗鼠](https://ryugendo.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/IMG_5499-1.jpg)
刺青師・龍元
101(2023.11.03)
コメント
onijiiです。
遠い所、お疲れ様です。
立位の力神は四天王だったのですね。
鮮明な写真をありがとうございます。
素晴らしいですね!
山野神社の力神と合わせて、見学に
行きたいと思っています。
仕事の関係で、残念ながら寺社巡りは
オアズケ状態。来春には行きたいなあ。
onijiiさん こんばんは
力神は大輪寺のサイトによると四天王となっていますね。何を根拠にこれが四天王なのかは私には分かりません。
雪深い地方には個性的な力神が多いですね。