栃木県

最近、参道周りの木々が伐採され、社殿周りはモルタルで補強された様で、以前とは随分様子が違って見えます。

熊野神社の脇から山に入り、ほうぼう探し回ってやっと社殿を見つけました。

茂木八雲神社の境内社・菅原神社御本殿は比較的小さな部類に入りますが、胴羽目や脇障子・向拝には腕の良い彫工の作と思われる、素晴らしい彫り物がありました。

所狭しと飾られた壮麗な彫り物は、決して超絶技巧という訳ではありませんが、安定したデッサン力と人物の表情に熟練の技を感じさせます。追記あり（2022.11.10）

和やかな表情の人物が彫られた胴羽目が三面、脇障子が二枚ありました。

程よく寂れた彩色の二十四孝の胴羽目彫刻の他、栃木では珍しいと思われる扇子流しの彫り物を鑑賞する事が出来ます。

何回訪れても不思議な雰囲気の彫り物に惹かれます。

緻密で幻想的な彫り物が所狭しと飾られた見事な御本殿がひっそりと佇んでいます

覆屋の中を覗いてみると、噂に違わぬ流麗な彫り物が施された、見事な御本殿が鎮座していました。

大蔵寺境内社の富士浅間神社は昭和三十七年創建の新しい神社ですが、身舎は龍や虎、鳳凰などの彫り物で飾られています。

胴羽目三面には彫りの深い立体的な彫り物がありました。

この時は疲れていたせいもあって彫り物の内容には思い至らず、何が彫られているか分かりませんでしたが、家で写真を眺めていて思わず膝を叩きました。

鮮やかな色で彩色された御本殿。陽の光に映えて眩しいくらいです。

二十四孝から題材が取られた御本殿の三枚の胴羽目はとても見応えがあります

「不法投棄禁止」「監視カメラ作動中」「通報します」などの看板を過ぎると社殿が見えてきます

徳の高い王者による平安な治世か、優れた知性を持つ人が生まれると姿を現すという霊鳥、鳳凰が彫られた社です。

支那仙人列伝には詩人の李白も龍仙人として載っていますので、「一詩人と三仙人と政治家」としても良いかも知れません。また八百年も生きたと言われる東方朔は政治家というより、仙人とした方がしっくりくるかも知れません。

拝殿向拝、幣殿胴羽目、御本殿胴羽目などの大きな彫り物も素晴らしかったですが　他にも沢山良い物があったので紹介します

彩色こそ剥落してしまってますが、綺麗に修復すれば国宝・歓喜院聖天堂にも引けを取らない事請け合いの見事な彫り物で飾られた社です。

大きな彫り物は向拝中備と胴羽目三面だけ、比較的シンプルな社殿ですが、それでも見応え十分、一見の価値のある御本殿です。