刺青図柄の意味 安倍泰親 九尾の狐伝説その一

安倍泰親 玉藻前の正体を暴くの図 刺青図柄解説
安倍泰親 玉藻前の正体を暴くの図
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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安倍泰親 /阿部安近(あべのやすちか)

1110-1183年 平安末期の陰陽師

あの有名な安倍晴明の五代後の子孫です。安倍晴明といえば 一条戻橋伝説で渡邊綱 に助言をした人ですね。

泰親も優秀な陰陽師だった様で、鳥羽上皇の窮地を救い、日本を九尾の狐の害悪から守ります。

九尾の狐伝説 その一

泰親は病に伏せる鳥羽上皇の側室である玉藻前が九尾の狐の化身であり、すべての災いの元凶である事を見抜いた。上皇の病状回復を祈るとの名目で祭りを催し、泰親が真言を誦えると、玉藻前はたちまち狐の本性を現し逃げ去った。

安倍泰親 玉藻前の正体を暴くの図

泰親が咄嗟に4色の幣(へい・ぬさ)を空中に投げると青い幣が玉藻前の後を追って行った。

「あの幣を追え、あの幣のある所に九尾の狐が隠れている筈だ」

その幣が発見されるのは実に17年後の事になる… 

九尾の狐伝説 その二 上総介広常 へ続く

幣とは、神に祈りを捧げる時に捧げたり、お祓いに使ったりする、二本の紙・布などを竹などに挟んだ物。神主さんが使うアレですね。通常は白ですが、5色の紙や金箔銀箔が使われる事もあるそうです。

刺青芸術工房 龍元洞
刺青師・龍元

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