クセつよ人物彫刻 [熊野神社] 山梨県

鬼面 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年九月上旬 山梨県市川三郷町の熊野神社に参拝しました。

熊野神社鳥居

創建年代不詳
御祭神 天照大神あまてらすおおかみ 他十二柱

熊野神社

御本殿へ廻ります。

熊野神社御本殿覆屋

覆屋の中には立派な御本殿が鎮座していました。

熊野神社御本殿

向拝唐破風懸魚は応龍でした。状態は良好です。

応龍

水引虹梁の代わりに龍が向拝柱を繋いでいます。

龍

その上の梁にも龍。

龍

御本殿右面です。

熊野神社御本殿

一瞬 寒山拾得かんざんじっとくかと思いましたが 鶴亀がいるので 高砂たかさごで間違いないでしょう。

高砂

クセの強い造形。どちらがお爺さんで どちらがお婆さんか分かりません。市川三郷町のサイトでは「翁の図」と解説されています。

尉

通常 箒を持っている方がおうななので きっとこちらが嫗だと思います。じょうが持っているはずの熊手は多分欠損。 

嫗

脇障子は龍です。

龍

背面に廻ります。

熊野神社御本殿

脇障子の龍の裏面。大きな下あごが印象的です。龍の喉元にあると言われる逆鱗は見当たりません。

龍の下顎

胴羽目は 市川三郷町のサイトによると「鍛冶師の図」。 小鍛冶こかじの事だと思います。

三条小鍛冶

多分こちらが三条宗近さんじょうむねちかなのだと思います。

三条小鍛冶宗近

こちらが 相槌を務める稲荷神のはず。

稲荷神

通常 相槌が狐の冠を被っているか 周りに狐がいるかですが 狐はどこにもいません。ひょっとしたら別の図柄の可能性も全く無いとは言えないかも知れない様な気がしないでもない様な感じがしたのかな?

なんにしても手が変です。槌の頭が右手の小指側に来る様に構えています。逆手に持って槌が打てるのか? 左手は後補の様ですが こちらも変ですね。

稲荷神

左面です。

熊野神社御本殿

胴羽目は その名声が天まで届き 龍が診てもらいに来たという 馬師皇ばしこう

馬師皇

こちらも短刀の様な物を 逆手に構えている様に見えますが 実は針です。

馬師皇

つまむ様に持っていれば針っぽく見えると思いますが この彫師は逆手がお好きだった様です。

それはそれで良いとは思いますが 知らない人が見たら誤解してしまうと思います。

助手

現に市川三郷町のサイトでは「大蛇成敗・・・・の図」と説明されてしまっています。

馬師皇

脇障子の龍。

龍

この辺りでは良く見掛けますが 正面扉が少し奥まった位置についています。

熊野神社御本殿
熊野神社御本殿正面扉

奥まった扉の脇には 橋の上で馬に乗っている人物がありました。

黄石公

反対側を確認すると 沓を差し出す人物と龍。と来ればこれは 黄石公こうせきこう張良ちょうりょうでしょう。

張良

上を確認すると 唐破風と千鳥破風の鬼板に鬼面が見えます。

鬼面

唐破風の鬼面。阿形です。

鬼面

千鳥破風の鬼面。吽形です。

鬼面

屋根の形はよく見えませんが 多分入母屋造り。

もしやと思って 大棟鬼板を確認すると。。。ありました。

鬼面

阿形でしょうか。

鬼面

左側は吽形ですね。

鬼面
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かなりクセの強い独特な造形の彫り物が印象的でした。

刺青師・龍元

072(2025.11.29)

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