令和五年十二月中旬 埼玉県横瀬町の宇根八坂神社に参拝しました。
胴羽目 腰羽目 脇障子や向拝などに非常に充実した彫り物があるので 二回に分けて紹介します。
弘化三年(1846)建立
御祭神 天思兼命 牛頭天王
左側脇障子は玉巵弾琴。玉巵の奏でる一絃琴の音色に 龍や百禽集まり聞き惚れます。
向拝。組み物は豪勢に積んであるし 懸魚に中備や破風入など 見どころ満載です。
右脇障子は 鳳凰に乗り 笙を吹く梅福仙人。
右面を見てみます。
弓で岩面に戦勝の銘を刻む 神宮皇后。
見守る武内宿禰。
彫刻の岩には何も彫られていませんが 八幡愚童訓では「新羅は日本に従属する」的な内容が チョット憚られる様な刺激的な表現で刻んだ事になっている様です。
腰羽目は 唐子のことろことろの遊び。
楽しそうです。
背面に廻ります。
胴羽目は 牛若丸 鞍馬天狗より兵法書を授かるの図です。この彫り物があると聞いて ここに来ました。
「お前に教える事は もう何も無い ホレ 兵法書を授けよう」
「ありがとうございます お師匠さま」
こちら↓は同じ町内の猿田彦神社の牛若丸。ポーズはまるっきり同じ。彫りのタッチも似ているのではないでしょうか?
↓ここ 宇根八坂神社の鞍馬天狗。
↓猿田彦神社の鞍馬天狗。
↓ここ 宇根八坂神社の鞍馬天狗。
↓猿田彦神社の鞍馬天狗。
猿田彦神社よりも宇根八坂神社の方が彫りが緻密ですね。
猿田彦神社の前に参拝した社号不明神社の牛若丸の胴羽目ともそっくりなので 似た胴羽目が三社にある事になります。同じ彫師かどうかは 私には分かりませんが 社号不明神社の武内宿禰も ここのと似ていると思います。
背面腰羽目は猩々です。
混ぜて貰いたい。
左面です。
胴羽目は 三国志演義から桃園結義。劉備玄徳 関羽雲長 張飛翼徳の三人が 生死を共にする義兄弟の契りを結びます。
浮かない顔の関羽。
チョット とうが立ってしまった感じの劉備玄徳。猿みたいですね。桃園結義の時はもっと若かった筈だから もしかして違うのかな?
とにかく憎めない張飛翼徳。
腰羽目は司馬温公甕割です。
石を持った少年が 司馬光と思われます。
其の二に続きます。
刺青師・龍元
116-01(2023.12.30)
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