八棟灯籠 前編からの続きです。
背面です。
背面にも立派な胴羽目があります。
構図から考えると趙雲救幼主で間違い無いと思いますが。。。
幼主阿斗が見当たりません。他の角度からも色々撮ってみましたが 下からは見えませんでした。
こちら↓はどなたでしょう?手首が損傷しているので 他にも失われてしまった部位が有るのかも。ポーズから推すと 鉄椀から龍を呼び出す 陳楠仙人 の可能性がありそうです。
その隣は 張果老の瓢箪から駒。
縁下は黄石公と張良です。
「小僧!沓を落とした 拾って来い!」
くそジジイ ぶっ飛ばしてやろうか。。。
でも このジジイ 只者じゃなさそうだ。。。「ハイ先生 沓をどうぞ」
左面です。
こちらはどなたでしょう?
北斎の絵に似た物がありました。「?馬に似て 角髪ふかく全身 火の烘るがごとし 齊万年 怪△(豸偏に犬)牽帰る」と書いてあります。斎万年とは中国・西晋時代のチベット系氐族の首長だそうです。
こんなのもありました。同じく北斎画で「楚の項羽 烏騅といふ 名馬を得」と書いてあります。
どちらもありそうですが 全く違うかも知れません。
もう ほとんど首が折れてますね。
胴羽目は 文覚上人の滝行。中国趣味の中に日本図柄が光ります。
過ちから最愛の恋人を殺めてしまった遠藤盛遠は 名を文覚と改め 激しい修行の道に身を投じます。
真冬の熊野・那智の滝に打たれ 死にかける文覚の元に 不動明王の脇侍である制吒迦童子と矜羯羅童子がやって来て 修行を成就します。
胴羽目の上の左側には牛を牽く人。許由がいれば巣父で決まりなんですが。。。他に牛と言えば菅原道真とか 劉訓とか 牽牛とかが思い浮かびますが どれも決定打に欠けますね。中国風の服装に見えるので菅原道真は無いかな。織姫が居ないので 牽牛も無しかも。と考えると 巣父か劉訓のどちらか もしくは全然別の誰か。
その隣は亀仙人の黄安。三千年に一度頭を出す亀の頭を 五回見たと言います。
縁下です。
むむむ。。。 この面は分からない事だらけですね。
まあ 中国系の武人 としておきましょう。
なんにしてもカッコ良いです。
こちらは魚屋さん?
誰にしても中国人でしょう。この面の唐破風下と胴羽目の二点以外は見事に中国図柄でした。
赤い塗料で細部が潰れてしまっているのが 少し残念。でも雨ざらしですから塗らなければ劣化が進んでしまうでしょうし 痛し痒しですね。
手水舎には飯田岩次郎義棟と銘が入った極彩色の彫り物があったので 次回紹介します。
刺青師・龍元
108-03(2023.12.26)
コメント
更新お疲れ様です。
三峯さんの灯籠、10年近く前の参拝時に
実物は目にしていましたが、当時は拝殿と
手水舎だけしか撮影していなかったので、
細部まで見る事ができて有難い限りです。
なお、別件ですがTwitterで情報の
収集をしていましたところ、年明けの
三が日と21日に千葉県 大網白里市の
養安寺地区の御嶽神社さんで時間指定は
ありますものの、本殿の拝観が可能との
告知が本務社の家之子八幡神社さんの
アカウントでされていました。
1月1日:9時〜15時
2日・3日:9時〜12時
21日:9〜11時
※平時は毎月第二日曜日に総代さんが
神社に詰めていらっしゃるようですが、
午前中の9〜10時だけだそうです。
なお、本殿の画像はGoogleマップに投稿
されていますが彩色タイプで、少なくとも
左右の胴羽目と脇障子はあるみたいですが、
Twitterの投稿画像で確認した限りは
背面には彫り物は無く、彩色画の龍でした。
一魁斎さん
ここは彫刻の数が凄くて前回は集中力が続かずに、あまり上手く写真が撮れなかったので再訪しました。今回は灯籠と手水舎で1時間半掛かって写真を撮りましたが、ろくに防寒対策もしていなかったので非常に寒くて手が悴んで動かなくなる程で、「凍死するかも」と思いました。帰りには蕎麦で身体を温めて帰りました。
大変貴重でホットで詳細な情報をありがとうございます。ツィッター・グーグルマップ確認致しました。御嶽神社はノーマークでした。鮮やかな彩色御本殿、行く価値がありますね。
ありがとうございます。
御返信ありがとうございます。
あと、既にチェック済みでしたら
相済みませんが、自分が参拝済みの
ところで千葉県内ですと、香取郡・
多古町の南並木257の春日神社さんも
胴羽目が三面全て鹿という構成ですが、
それ以外の部分も彫り物たっぷりです。
※Googleマップに画像があります。
ただ、自分はレンタサイクルでしたので
大丈夫でしたが、車の場合は駐車スペースが
皆無に近い感じ(境内の後方から乗り入れは
できるみたいですが)でしたので、その点に
ご注意ください。
更に情報をありがとうございます。
そちらは未参拝ですが、一応マークはしていました。でも駐車場所が無いというのも非常に有益な情報です。ありがとうございます。