令和四年四月上旬、長野県上田市の伊波保神社に再訪しました。
創建年 不詳
元和三年(1617)水害の為、現地に遷宮
明治十三年(1879)村社岩下村諏訪宮から改称
御祭神 建御名方神 八坂刀賣神
彫師 竹内八十吉と推定
立派な御本殿です。
正面扉の脇板は鯉の滝登り。
長野県の神社らしく、縁下は簡素な造りです。
その分胴羽目は一流品。
鶴仙人の控鶴。
黄鶴仙人とか費張房とも呼ばれる様です。
脇障子には風狂の徒・拾得がいました。
もっと顔を良く見たかったのですが、向こうを向いているのでこれが限界です。
背面に彫り物はありませんでした。
左面。
胴羽目は琴高乗鯉。鯉仙人の琴高です。
琴の名手で八百年生きたと云われます。
ある時、龍の子を獲って来ると弟子達に言い残して水中に入り、約束の日に鯉の背に乗って現れたと云います。
親指の関節のシワまで表現されています。
脇障子は拾得と対になる風狂僧・寒山。
目のギョロっとした所がチャーミングです。
扉の左の脇板の滝を登る鯉。
こんな感じの覆屋に納められていて、鑑賞しやすいです。
来る日も来る日も彼方を見つめる仙人たちに、いつかまた会いに来よう。
刺青師・龍元
055(2022.04.19)
コメント
onijiiです。
素晴らしい!いつまでも眺めていたくなります!!
巨大な鶴と鯉。この大きさなら乗れますね。(笑)
上田市には竹内八十吉の彫刻が何ヶ所もあるよう
ですね。いつの日か行きたいです。
竹内八十吉は間違いなく信州を代表する彫師の1人ですね。江戸から明治にかけて活躍した人の様ですが、ここの仙人たちは百年以上もここで過ぎゆく時を見つめていたのか、なんて浸ってしまいました。